moumoon@中野サンプラザ、深度のあるポップス観について思ったこと

moumoon@中野サンプラザ、深度のあるポップス観について思ったこと

昨日はmoumoon@中野サンプラザへ。

不思議なポップスだ。
間違いなく高品質なポップスなのだが、ハードルの高さは感じさせない。
メロディが人懐こいのか、YUKAの声がそうなのか、きっとおそらくその両方だと思うが、まるでずっと会話をしているような親密さがある。
あくまで目の前のひとりに歌を届ける、というスタンスが会場の人数分用意されているような、不思議な温度を感じさせるライヴだった。

moumoonの音楽は、ひと言で言うなら、澄んだサウンドの正統なるギターポップスだ。
どちらからというとJ-POPというよりヨーロッパ的な構築感がある。
凝ったアレンジ、リズムも変幻自在で跳ねた曲も多い。
音楽通ほど唸る、エバーグリーンな音楽といっていいと思う。
ただ、あくまでリスナーフレンドリーなキャラクター、キュートで等身大の佇まいが前面に出ているのがいい。
そのあたりが、若いファンも多く、終始アットホームな空気感でライヴを進めることができる要因なのだと思うが、しかし、ひとたびその世界に立ち入ると、ひとつひとつ要素を解き明かしたくなるようなポップスの仕掛けが施されている。
間口の広さやわかりやすさではなく、ポップスの深度で老若男女のポップス観をカバーするというスタンスはとても頼もしい。

とにもかくにも、この透明感と清澄感は本当に無二だ。
彼らがJ-POPのフィールドで活躍することができるのは、この透明感が明確なキャラクターとして、あるいは、ポップスとしてのキャッチーさとしてしっかりリスナーに届いているからだと思う。
YUKAの歌声はまさに「澄みきった」と表現するのにふさわしく、年々凛とした芯の強さを増している印象がある。
ライヴを観るとその魅力が端的にわかる。

写真は、満月の夜だったので、月を。小さいですが、満月です。
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