祝レオ受賞! アデルもカニエも祝福。「地球温暖化は現実」。念願オスカーのスピーチは思いきり政治的だった

祝レオ受賞! アデルもカニエも祝福。「地球温暖化は現実」。念願オスカーのスピーチは思いきり政治的だった

遂に! 『ギルバート・グレイプ』で助演男優賞にノミネートされてからすでに20年以上。レオナルド・ディカプリオが『レヴェナント:蘇えりし者』でオスカーの主演男優賞を見事受賞した!!! アメリカ中が大喜びだ。

敵を作ることにかけては天下一のカニエ・ウェストですら、素直に祝福。
「とうとう!俺も好きな!レオが獲ってめちゃくちゃ良かったよ!」とツイートしていたほど。
オスカーが始まる前から一番注目されていたのはレオで、アデルもツイート。
「グッド・ラック、レオ!あなたは最高だから、みんなあなたが大好きよ。時計台の下でいつでも待っているわ」と『タイタニック』を文字ったのがかわいかった(笑)。
レオが獲った瞬間は、なんとオスカーで過去最高のツイート数を記録したそうだ。会場もスタンディング・オベーションだったし、受賞後のメディアも「遂に!」とレオへのおめでとうを最も報じていた。

今回の役は、彼のキャリアの中でも本当に最高と言える演技で、他の俳優を寄せ付けないレヴェルだった。監督賞を受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥが元々才能のあるレオから最高レヴェルを引き出したのだと思う。

レオの受賞スピーチも、20年待った甲斐のある非常に大人な内容だったと思う。この映画に関係した人達、マーティン・スコセッシ監督や両親まで、自分をここまで育ててくれた人達に感謝した後に、彼が普段から活動している地球温暖化について触れたため、大きな話題となっている。

「『レヴェナント』というのは、人間と自然界の関係性を描いた作品だったと思います。

そして2015年、世界中の人達が観測史上最高の気温を経験しました。僕らはそのせいで、映画の撮影期間中に雪を見付けるためだけに、地球の南端にまで行かなくてはいけませんでした。

地球温暖化は現実です。今ここでまさに起きているのです。

それはすべての生物が直面している、今最も早急に対応すべき問題です。そしてその問題を解決するためには、僕らが全員で一丸となって対処することが必要で、これ以上先延ばしにするのは止めなくてはいけません。だから、莫大な公害をまき散らす人々を黙って見ているのではなく、人類のために声を上げてくれる世界のリーダーを支持しなくてはいけません。先住民の人々のために、そして、地球温暖化が起きるせいで最も被害を受けることになる何百万人もの恵まれた環境ではない人々のために。そして僕らの子供達の子供達のために。または、政治の欲により、その声がかき消されてしまった人達のために。

今夜、この素晴らしい賞をくださったことに心から感謝します。僕は、今日いただいたこの賞を当たり前のことだと軽視したりしません。だから、それと同じように、この地球のことも、当たり前のことだと軽視するつもりはありません。どうもありがとう」

「白すぎるオスカー」と言われた今年。司会者のクリス・ロックのギャグは、始めから最後までほぼそれについてのみだった。その空気感もあり、『レヴェナント』で受賞した監督のイニャリトゥも、「肌の色の違いは、髪の毛の長さくらい意味のないことになるべきだ」と受賞スピーチで発言。レオの温暖化のみならず、レイプの犠牲者、ゲイの権利、チリの国外亡命など、受賞者は次々に政治的メッセージを投げつける年となった。

ビヨンセのスーパーボウルでのパフォーマンス、グラミー賞でのケンドリック・ラマーのパフォーマンス、そしてオスカーと、エンターテイメントの場で次々に政治的メッセージが投げつけられる年になっている気がする。もちろん、その後多くの論争を巻き起こしているので、どのアーティストもリスクを背負ってのパフォーマンス、発言である。

『レヴェナント:蘇えりし者』の最新予告編はこちら。日本公開は4月22日! 必見です。
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