キラーズの、2013年から5年ぶりになる来日が直前に迫っている!ぜひ観て欲しい!!
来日で思い出したのだけど、去年キラーズにインタビューした時、前回来日した時のライブが最高で、その世界ツアーの中で最も「クレイジーだった」と語っていた。
この話は、デビュー当時ストロークスの作品があまりに素晴らしくて、それを聴いた後に自分達の作品を大きく書き直したと言った後に続いたもの。前回の掲載(『rockin'on』2017年11月号)では、ページ数の関係で入らなかったのでご紹介。
●でもその後10年以上が経過して、あなた達は、ウェンブリー・スタジアム(9万人キャパ)でライヴをするくらい成功しましたーー。
ブランドン「だからって僕らが優れたバンドとも言えない」
●でも、昨今そこまでの大きなロック・バンドに成長していくのはかなり難しい時代です。
ダニー「いや、絶対にこれから何か悪いことが待ってるんだと思う」
ブランドン「このまま続くわけがない。それに僕らだって時々小さい会場で演奏したりするしね。東京とか」
● (笑)。
ダニー「僕らは日本では人気がないから(笑)」
●(笑)それは来日が少ないからですよ!
ブランドン「でも、言ってもいい?日本でのこの間のライヴは、僕らの『バトル・ボーン』ツアーの中で一番楽しかったライヴだったんだ」
●本当ですか?
ブランドン「本当に東京での盛り上がりはクレイジーだったから!本当に楽しかったんだ。マジであれは最高だったよ」
●なぜならあなた達は2回もキャンセルしたからです。
ブランドン「あれは本当に悪かったと思ってる。だからこそ行ったじゃないか」
●そうですね(笑)。
ブランドン「でもまた行くから」
●絶対ですよ!
ブランドン「絶対!」
というわけで、本当に来てくれました!! なので私もNYから飛んで観に行きたいくらい。
キラーズは何度もインタビューしているけど、ブランドンはいつももっと良いバンドになりたいという悩みを抱えていて、それが彼の起動力になていると思う。しかも、これだけ世界的に売れていても常に謙虚なところが素晴らしいと思う。前回のインタビューも読んでもらえました? ブライアン・イーノに認めてもらえていないところを悩んでいる話など好きでした。
また彼の中のヒーロー達に自分がまだまだ追いついていないという気持ちがあるから、永遠に彼らの中に、ヒーロー達に憧れるロック少年的なところがあるのも素敵だ。ロックの殿堂でカーズの殿堂入りスピーチをブランドンがした時などに改めてそう思った。
今年NYのパノラマフェスに出て、ヘッドライナーだったのだが、それでていてステージに立つとキラキラのショーマンになりきるのでそれも彼らの素晴らしいところだ。ラスベガス出身だから、と言ってしまうとあまりに陳腐な表現で申し訳ないけど、最初から最後まで盛り上げるためだけに全力を尽くすので感動してしまう。というか、フェスであれだけの人達が笑顔でぴょんぴょん踊らずにいられなくなるという彼らのヒット曲の多さ、曲の良さを改めて実感する。しかもそれでいて曲に胸を突く感動もあるのが大きい。実際背も高くて顔も小さくて、いつまでも脚も細くて体つきもアメリカにありがちな筋肉ムキムキじゃなくて、王子様っぽい稀有な存在。むかーし、エリザベス・ペイトンが彼の写真を撮って絵を描いていたのも納得だ!
何より、今のロック・バンドがこのダークな時代にいかにポップでポジティブなサウンドを鳴らすか、いかに踊れる曲にするのか、どこか”思考錯誤”した音を鳴らしている中で、彼らの曲は最初からそういうものであり、10年経過した今意図せず求められている音になっているのが素晴らしいと思った。来日公演、絶対にお見逃しなく!!!
この夏観た最新のセットリスト(7月29日)
Spaceman
Somebody Told Me
The Way It Was
Shot at the Night
Run for Cover
Smile Like You Mean It
For Reasons Unknown
The Man
A Dustland Fairytale
Runaways
Read My Mind
All These Things That I've Done
When You Were Young
Encore
Human
Mr. Brightside