ローリング・ストーン誌が「史上最高のアルバム500枚」リストを8年ぶりに大幅改訂。女性、黒人アーティストが一気に増える

ローリング・ストーン誌が「史上最高のアルバム500枚」リストを8年ぶりに大幅改訂。女性、黒人アーティストが一気に増える

ローリング・ストーン誌が2003年に初めて発表し、2012年に多少アップデートした「史上最高のアルバム500枚」リストを、久しぶりに大幅に改定して発表した。

上位20作品だけ見ても、今を反映してか、黒人アーティストと女性アーティストが大幅に増えている。例えばこれまで1位はザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』だったのが、今回は、マーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイン・オン』になっている。前回は20位の中に黒人アーティストが4組だったが、今回は9組と約半数に増えている。

また前回のリストだと20位以内に女性アーティストはなんとゼロだった。今回は、3位のジョニ・ミッチェル『ブルー』をはじめ、10位にローリン・ヒル、13位にアレサ・フランクリン、そこに7位のフリートウッド・マックも加えると4組に増えている。

さらに20位以内には、17位にカニエ・ウェスト、19位にケンドリック・ラマー、20位にレディオヘッドなどと、この中では若いと言えるアーティストも入ってきている。

全体としては、500位以内に154組の新しいアーティスト、アルバムが入った。

それぞれのファンが色々な見方をしているが、例えば2016年に発表されたビヨンセの『レモネード』は32位で、今世紀に発表された女性アーティストのアルバムとしては最高位となっている。

また今年記録的な売り上げとなっているテイラー・スウィフトは、『レッド』が99位、『1989』が393位。新世紀のスーパースター、ビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は、397位だ。またフランク・オーシャンは、『チャンネル・オレンジ』が148位、『ブロンド』が79位。気になるアーティストを調べだしたらきりがないのと、あのアーティストのこの作品がこのアーティストのこの作品より上?と自分の中では信じられない結果がある、というのもリストの常だ。

2020年版で500位以内に一番多く入っているのは、ザ・ビートルズの9枚。以下、次のようになっている。

・8枚
ボブ・ディラン

・6枚
カニエ・ウェスト
ザ・ローリング・ストーンズ
ニール・ヤング

・5枚
レッド・ツェッペリン
ブルース・スプリングスティーン
デヴィッド・ボウイ

・4枚
アレサ・フランクリン
レディオヘッド
ザ・フー
ジョニ・ミッチェル
ピンク・フロイド
プリンス
スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン
スティーヴィー・ワンダー
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド

以下、2003年の20位。

1. ザ・ビートルズ、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
2. ビーチ・ボーイズ、『ペット・サウンズ』
3. ザ・ビートルズ、『リボルバー』
4. ボブ・ディラン、『追憶のハイウェイ61』
5. ザ・ビートルズ、『ラバー・ソウル』
6. マーヴィン・ゲイ、『ホワッツ・ゴーイン・オン』
7. ザ・ローリング・ストーンズ、『メイン・ストリートのならず者』
8. ザ・クラッシュ、『ロンドン・コーリング』
9. ボブ・ディラン、『ブロンド・オン・ブロンド』
10. ザ・ビートルズ、『ホワイト・アルバム』

11. エルヴィス・プレスリー、『エルヴィス・サン・セッションズ』
12. マイルス・デイヴィス、『カインド・オブ・ブルー』
13. ヴェルヴェット・アンダーグランド、『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』
14. ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』
15. ジミ・ヘンドリックス、『アー・ユー・エクスペリエンスト?』
16. ボブ・ディラン、『血の轍』
17. ニルヴァーナ、『ネヴァーマインド』
18. ブルース・スプリングスティーン、『明日なき暴走』
19. ヴァン・モリソン、『アストラル・ウィークス』
20. マイケル・ジャクソン、『スリラー』

2020年の20位。

1. マーヴィン・ゲイ、『ホワッツ・ゴーイン・オン』
2. ビーチ・ボーイズ、『ペット・サウンズ』
3. ジョニ・ミッチェル、『ブルー』
4. スティーヴィー・ワンダー、『キー・オブ・ライフ』
5. ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』
6. ニルヴァーナ、『ネヴァーマインド』
7. フリートウッド・マック、『噂』
8. プリンス・アンド・ザ・レヴォリューション、『パープル・レイン』
9. ボブ・ディラン、『血の轍』
10. ローリン・ヒル、『ミスエデュケーション』

11. ザ・ビートルズ、『リボルバー』
12.マイケル・ジャクソン、『スリラー』
13. アレサ・フランクリン、『貴方だけを愛して』
14. ザ・ローリング・ストーンズ、『メイン・ストリートのならず者』
15. パブリック・エネミー、『パブリック・エネミーII』
16.ザ・クラッシュ、『ロンドン・コーリング』
17. カニエ・ウェスト、『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』
18. ボブ・ディラン、『追憶のハイウェイ61』
19. ケンドリック・ラマー、『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』
20. レディオヘッド、『キッド A』
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする