ビヨンセが7月29日に、傑作『レモネード』からなんと6年ぶりの新作『ルネッサンス』をリリースすると発表した。
「act i」となってるのが気なるところで、例えば今年の後半になって「act ii」が出るとかいうことあるのだろうか?
「第一章 再生」ということだと思うんだけど。「第二章〜」とか。ケンドリック・ラマーも、ジャック・ホワイトも2枚組作っているし。ジャックといえば、ジャックも自分がこのパンデミック中に「再生した」と言っているので、そこも少し似ている。
この作品についてはいつものごとくほとんど知られていないのだけど、英VOGUEの表紙が発表された。
プラットフォームに、ミラーボール! ファッションは、80年代の過剰さと90年代のUKガラージがテーマで、ビヨンセは、これまでになく遊び心のあることをやってみたかった、ということだ。
これがアルバムのテーマに関係しているのだろうか?! だとすると、思い切り80年代ディスコと90年代UKガラージ、レイブ? つまりダンス・アルバムなのか!? 思い切り遊び心があって弾けてる?と単純に思ってしまいたくなるが、そんな簡単なわけがない。
この黒のレザーの上下は、JUNYA WATANABEだ!
ビヨンセがジュンヤを着るとは! 嬉しい。そしてちょっとゴス。
編集長のEdward Enninfulが、ビヨンセのオスカーのパフォーマンスから数日後の今年4月に撮影とインタビューを行なっている。ビヨンセが「次なる進化に向かっている」という内容だ。
https://www.vogue.co.uk/fashion/article/beyonce-vogue-cover-new-music
こちらオスカーのパフォーマンス。
●アルバムのサウンドは?
編集長は新作を聴かせてもらっているのだが、ビヨンセがラップトップのプレイボタンを押すと、
「音の洪水に打たれ、響き渡るボーカルに、強烈なビートが鳴り響く。その瞬間に自分が若い頃に行っていたクラブに飛んで行ったような気持ちになった」
「僕が心の底から好きな音楽だった。立ち上がり、カルチャーからサブカルチャーに興味を持つような音楽であり、僕らの現在と過去の人々を思うような音楽だ。ダンスフロアで我々を一体にする音楽であり、僕らの魂に触れる音楽。当然ビヨンセのことだから、そこには意図があり、だからそれをゆっくりと座って飲み込んでみた」
●制作過程は?
また制作過程には時間をかけたということ。パンデミックでもあったため、十分な時間があり、全ての決断を考えたり、考え直したりを繰り返したそう。
それで思い出したが、ビヨンセは去年ハーパースのインタビューですでに、新作について語っていて、そこで「ルネッサンス」と言っていた。その時から感じていたことなのだろう。
また、「長い間、隔離し、さらに不公平を目撃しながら生きてきたから、誰もがここから逃避して、旅をして、愛し、また笑いたいと思っているんじゃないかと思う」
「だからルネッサンスが現れているのを感じるし、私はそれを育てていくことに可能な限り関わりたい」と。
この復活、再生のムードを後押ししてくれるようなサウンドのアルバムになっているということだろう。「これと思えるスネアを見つけるのに時に何年もかかることがあるし、やろうと思えば、200のハーモニーを重ねて作ったりもできる。でも、レコーディングスタジオにいる時に感じる愛や情熱や癒し以上のものってどこにも存在しない。すでに31年も音楽を作っているけど、9歳で始めた時と今も全く同じくらいエキサイトしている。そんな風に今、新作を作っている」
少し前なら、デュア・リパの『Future Nostalgia』やレディー・ガガの『クロマティカ』なども思い出すし、またダンスミュージックという意味では、ちょっと時代もジャンルも違うけど、スティーブ・マックイーン監督の『Small Axe』シリーズを思い出したりもする。しかし、そのどれとも違う作品が生まれてくるのは間違いない。
思い切り期待して待ちたい。
VOGUEの撮影をJAY-Zと子供たちも見に来たそうだ。JAY-Zと子供と言えば、現在アメリカで行われているNBAファイナルにJAY-Zと娘さんのブルー・アイビーが見に来ていて話題となっていた。ここで娘が「お父さん、マジやめてよ〜」と嫌がってる姿が世界共通でかわいいのだ。
また、父は娘がかわいくて仕方ないのでゆるゆるな顔なのも微笑ましい。ブルー・アイビーは生まれた時はお父さんにそっくりだったのに、いつの間にかお母さんにそっくりになっていて、服の着方も超カッコいい。まだ10歳!
ビヨンセのこの6年間を簡単に復習。
2016年 ”The Formation”ワールドツアー
2018年 歴史的なコーチェラのヘッドライン
2018年 JAY-Zとの”OTR II”ツアー
2019年 ”Homecoming”歴史的なコーチェラのドキュメンタリーをビヨンセが監督。
2019年 『ライオン・キング』NALAの声
2019年 『The Lion King: The Gift』発売。
2020年 Megan Thee Stallion “Savage” Remix
2020年 『Black Is King』映像アルバム。ビヨンセが監督。
どれも強烈な作品ばかりだ。
今年はケンドリック・ラマーもアルバムを出したし、本格的な「再生」「復活」を刻む年となった。リアーナのアルバムも待ってるけど、来年の楽しみがなくなるので、今年は出なくても良い気持ちになってきた(笑)。来年は、リアーナとフランク・オーシャンに期待したい。
公式サイトでは4種類のTシャツとCDのボックスセットの予約が開始している。デザインは後から明かされるそうだが、28ページの写真ブックレットとポスターが付いてくる。
https://shop.beyonce.com/
ビヨンセのアルバムまであと43日!
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