この秋の愛聴盤決定かも?St. Vincentのメトロポリタン美術館ライブが素晴らしかった

この秋の愛聴盤決定かも?St. Vincentのメトロポリタン美術館ライブが素晴らしかった

9月13日に待望の新作『Strange Mercy』を発売のSt.Vincentが、今日メトロポリタン美術館のデンドゥール神殿でライブを行った。なんという素敵な場所なんだろうか。


実は元々は、もっと素敵なメトロポリタンの野外屋上ギャラリーで行うはずだったんだけど、台風が接近したため、残念ながら室内に急遽変更。
しかしそれでもこのライブが素晴らしかった。


ここ最近は、ビンテージの服に身を包み大きなメガネをかけていたようなアニーだったけど、今日は黒いオーガンジー・ドレスで、しかも、背中が大きく開いてるし、脚もすらりとのぞく。思い切り大人の雰囲気だったのだが、それが音にぴったり。


最新作はアルバムとしてはまだ聴いてなくて、この少しエコーがかかりすぎる場所で今日聴いた印象でしかないけど、まずなんと言っても、キーボードとシンセサイザーの柔らかで繊細なテキスチャーがこれまでなかったように幾重にもなっていたのが新しかった。まさに彼女が着ていた服と同じ。非常にムードがあって、格が一段上がっていて、そして、思い切りセクシーなのだ。


ただし、それでも裸足で、ステージに立ち、キッとギターをかき鳴らす姿はこれまで通り凛と素敵であった。


それが絶妙に混じり合いながら、彼女が複雑に抱えた女性性というものを、非常に豊かな表現力でサウンドにしていたんじゃないかと思うのだ。


このまま期待通りの新作ができていたら、去年の夏に聴きまくったビーチハウスの秋盤とでもいような傑作に仕上がっているのではないかと思う。この秋のヘヴィロテ間違いなしな心地良さと空気感の作品になりそう。発売が超楽しみ。


現時点では、これから間もなく発売のガールズと並んで素晴らしい作品になりそうな気がする。


アメリカのインディ・シーンは、去年に引き続き今年も豊作揃いだ。どの作品も常に期待を上回っていく。とりわけ、フリート・フォクシーズ、Bon Iver、ガールズと、人気を獲得した後の難しいセカンドで、そのプレッシャーをはね除ける思考の作品を作り続けている。それがなんとも頼もしく素晴らしい。
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