今年一番の成長株フォスター・ザ・ピープル熱狂ライブ

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「数ヶ月前にNYに来た時はバワリー(600人)だったのに、今はこんなに大きな会場(3000人x2日完売)でできて本当に嬉しい。ありがとう!」とボーカルのMark Fosterが言っていたけど、フォスター・ザ・ピープルは今年アメリカでデビューしたバンドの中で、最も人気を拡大中のバンドのひとつだろう。


デビュー・アルバムの『Torches』は、初登場8位にして去年発売のシングル”Pumped Up Kicks"は、100万枚越え。


しかし正直言ってしまうと、私は完全に彼を勘違いしていた。例えば、MGMTとかヴァンパイア・ウィークエンドとか、パッション・ピットとか、ここ数年の東海岸の流れに乗って出て来た、もっとちゃらちゃらしたバンドだと思っていたのだ。


まるで違ったので、本当に深く反省している。


カリフォルニア出身で、現在のツアー・メンバーは計5人。キーボードはそれより多い6台もあった!


メンバーは、むしろクリーンカットで、ヨレッとしたところがなく、ボタンダウンのシャツをきちっと着こんでいる。しかも、無駄に笑顔を振りまいたりすることもなく、とにかくそのサウンドのゆるさのイメージとは逆に、思い切りストイックに謙虚に向っているところが驚きで、そういうところから、この歓喜の超メジャー感あるダンス・サウンドを生み出しているのかと思うと、それがとてもカッコいいと思えた。


ライブ演奏も基盤が思い切りしっかりしていて、そこがまた最近のバンドとも違うところだった。


あるインタビューで、ボーカルのMarkがメンバーを捜すに当たり、「思わせぶりではなく、アル中じゃなく、気が狂ってなく、エゴ炸裂じゃない、そんなメンバーを捜すのは至難の技だ」と言っていたけど、正に、そういう考えで集めた人達がこのバンドにはいるように思えた。こういう音楽を作りたいというしっかりと意志があって、それに思い切りフォーカスして向っている感じなのだ。


また、ボーカルのMarkは、ドラッグ中毒になっていたそうなのだけど、19歳でこんな生活続けられないと断ち切って這い上がったみたいだ。歌詞はまだ読んでないけど、だからそこにはさらに深いものがあるのかもしれない。


今はこの目に見えて大きくなり続ける観客と、周りの状況に、溺れないように、必死に地に足をつけて、日々乗り切っているというそんな感じに見えた。ここからどこまで大きくなり続けるのか楽しみだ。


ちなみに、この間行われたトロント映画祭の記者会見で、エッジは、最近聴いた傑作として『Torches』をあげていた。
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