セプテンバーミーのシングル『透明都市』はなんでこんなにリピートしてしまうの か

セプテンバーミーのシングル『透明都市』はなんでこんなにリピートしてしまうの か

立川発の5人組、セプテンバーミー(http://september-me.com/
)がタワレコ限定でリリースした1stシングル『透明都市』、目下無限リピート中。

“逆回転するハッピーエンド”

凛として時雨のピエール中野がCDの帯にコメント寄せたりしていて、そこには

「いろんな景色がもの凄いスピードで駆け巡ってくる。」

とある。まさにそうなんです。
なんだよこのグルグル回って回り続けてだんだん速くなってぶっ飛んでいく感覚は。刻まれまくるハイハットとポストパンクなギターと前のめりのテンポ。歌詞は物語を描くことをなかば放棄して、次々とフラッシュバックする風景にただただフラストレーションだけが溜まっていく。その瞬間で切り替わっていく風景をなんとか確かめたくて、延々聴き返してしまう。

自分たちで「立川発、最高に情けない次世代ポップバンド」を標榜しているらしいが、まあ情けないかどうかは知らんけど、想像力が先走ってそこに肉体が食らいついていくイメージは確かに次世代感ありあり。ところで「想像力が先走ってそこに肉体が食らいついていく」とはどういうことか。

ちょっと前までは、想像力が圧倒的に肉体性やリアルな日常感に負けていたという印象があって、それは音楽だけでなく小説やマンガでもそうだったんだけど、たぶんネットやスマホによるコミュニケーションがこれだけ発達してくれたおかげで、想像力のほうが現実をはるかに凌駕していく時代に突入した。そして今、その想像力に、最近のバンドの肉体感覚が追いつこうとしている。つまり、その爆発的な想像力を、武器として使いこなせるようになってきている。

ということです。
たとえばこのセプテンバーミーの“逆回転するハッピーエンド”でいうと、「最終電車」「と「講習会」と「風評被害」と「警察」を並列に並べて「ああ、狭いよ。」という言葉で片付けてしまう、この感じ。余計分かりにくい?

ともあれ、さよなら、また今度ねも、コンテンポラリーな生活も、その中で新しいロックの文体を見つけ出している気がして、このセプテンバーミーもそれと同じような気がして、おもしれーってなっているわけです、最近。

あと、ドラムの岸波藍が描いているアートワークも詰め込みすぎでいろいろヤバイ。
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