back number『ラブストーリー』発売カウントダウン全曲レビュー! その9

back number『ラブストーリー』発売カウントダウン全曲レビュー! その9

※3月26日発売、back numberのニューアルバム『ラブストーリー』を、発売日までカウントダウンしながら1曲ずつレビューしていきます。

M-9 ”こわいはなし”
(すみません、昨日「明日はM-9”ネタンデルタール人”です」と書きましたが、9曲目はこの“こわいはなし”です)
4分音符で淡々と刻まれるギターのストロークが、一見幸せそうに見えるふたりの裏側にある「わざわいのもと」を残酷に暴きだしていく。感情の動きを軸に、いわば一人称で書かれることの多い清水依与吏の歌詞だが、この曲はどこまでも客観的に、映画でいえばロング・ショットのようなすべてを見通す視点に立って書かれている。だからこそ、このふたりの姿を指して”こわいはなし“と呼ぶことができたのだし、最後まで何一つ救いや希望を持ち出さないまま、書き切ることができたのだ。メンバーによればギターのリフとリズムから作り始めて、メロディが最後についたという作り方だったそうだが、情に流されることなく、一歩ずつ確実に「終わり」へと向かっていくふたりを描くには、まさにその作り方が必要だった――というか、そういう作り方だったからこそ、このような冷静な筆致が生まれたのだと思う。清水の言を借りれば「終わっていくふたりの説明書」だというこの曲にある、客観的な視座は、このアルバムにおけるポイントのひとつだ。


明日はM-10 “ネタンデルタール人”です(今度こそ)。
アルバム発売まであと4日!

↓これまでのレビューはこちら。
M-1 ”聖者の行進“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98879
M-2 “繋いだ手から“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98907
M-3 “003”
http://ro69.jp/blog/ogawa/98928
M-4 “fish”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99019
M-5 “光の街”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99093
M-6 “高嶺の花子さん”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99163
M-7 “MOTTO”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99252
M-8 “君がドアを閉めた後”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99267
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