今日、紛れもなくhideが目の前で歌い、踊り、ギターを掻き鳴らす、奇跡のライブを目撃してきた。

横浜に新設された世界初のライブホログラフィックエンタテイメント常設劇場「DMM VR THEATER」にて、X JAPANのギタリストhideをホロディックで表現したライブ「hide crystal project presents RADIOSITY」が行われたのだ。

ホロディック技術とは、要するに、3DCGを駆使して人間の目の錯覚を作り出し、あたかもそこに役者がいるように見せる手品的な演出のこと、だそう。
正直、開演前に渡された資料には、その理屈が詳しく書かれていたのだが、よくわからなかった。だが、ステージの幕があがれば、それは一目瞭然。キャパシティ400人ほどの劇場がライブハウスとなり、そのステージ上にhideは実在していた。

ここ最近は、ライブを映画館で上映するアーティストも増えてきたが、それとはまた感覚が少し違う。ステップを踏み、ステージ狭しと移動しながら、何度もジャンプをしては、両手でマイクを握りしめ、hideは目の前でパフォーマンスをしていた。客席からは「hideー！」と、大きな叫び声もあがった。これは正真正銘、新しいライブのかたちだ。

かつて日本の音楽シーンに鮮烈なインパクトと共に登場して、のちのバンドに計り知れない影響を与えたhideは、2015年、再び新しい音楽カルチャーの先駆者になるのか。そんな数奇な巡りあわせに想いを馳せながら、ライブの余韻を噛みしめた。（秦理絵）