ONE OK ROCK全アルバムレビュー 6th『人生×僕=』【『Ambitions』リリース記念】

ONE OK ROCK全アルバムレビュー 6th『人生×僕=』【『Ambitions』リリース記念】

タイトルの読み方は「ジンセイカケテボクハ=人生賭けて僕は」であり、これはTakaの人生を表す方程式だという。

壮大なサウンドスケープが広がる“Introduction~Where idiot should go~”による幕開けの音が鳴ると、その方程式の答えを見つけるための13章(曲)に渡る長編映画が始まったような気持ちになる。それほどに1曲1曲に込められた想いや背景、サウンドの奥行きが広く深く、何より強い。今作は泥臭くて青い「一言入魂」のパワーワードで射抜くというよりは、曲全体の持つ壮大な景色やイメージで聴く者を圧倒する「一曲入魂」という印象が強い。それはキャリア初となるアリーナツアーを控えた当時のONE OK ROCKの視野の広がりや意識変化そのものだと思うし、《だからこそもっと強くたくましく夢を現実にするために/人生かけて俺らは何かひとつやり遂げる必要がある》(“69”)という未来への決意と意志が顕著に表れた結果だ。バンドとして生き、自分たちの美学を音楽として鳴らし、バンドとして死ぬ――その決して安易ではない道を突き進む決意がこのアルバムであり、人生を賭けた意志表明にほかならない。

今や世界から求められるバンドとなったONE OK ROCKだが、活動規模こそ変われど彼らの方程式の答えが変わることないだろう。11年前の2005年にバンドが背負って生きると決めた「ROCK」の文字に託されている想いは、今やメンバーだけのものではない。日本のロックバンド・ONE OK ROCKが世界のロックバンドになっていくその快進撃を、決して見逃さないでほしい。(峯岸利恵)
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