【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】9th『明日に向かって走れ-月夜の歌-』

【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】9th『明日に向かって走れ-月夜の歌-』 - 『明日に向かって走れ-月夜の歌-』1997月9月10日発売『明日に向かって走れ-月夜の歌-』1997月9月10日発売

このアルバムこそが希望

単行本『風に吹かれて-エレファントカシマシの軌跡』のあとがきで宮本浩次は「俺はかっこいい音楽が聞きたい。美しいものが見たい。何かを信じたい」と書いている。手に負えないオーラを醸し出していた若者、または世の中を見限って暮らしていた男の言葉とは思えない、ピュアで正直な願いの言葉である。

このアルバムは、エレカシ史上、最高のセールスを記録した。それは宮本の美しき願いが、何にも阻まれずここに結晶化しているからだ。社会のなかに身を置くからには、理想や希望だけで生きることはできない。宮本だってそうだ。しかし宮本は、自分が何を願って生きているのかを忘れたことがない。このアルバムは、その願いが、ありのまま「音楽」として形を持った奇跡の瞬間である。そして、その奇跡は過去の出来事ではなく、バンドの中にも、それを聴いた僕たちの心にも炎を灯したままだ。明日に向かって走るだけだという宮本の生き方、それを支えるエレカシの絆は、このアルバム以降、何ひとつ変わっていない。(古河晋)

収録曲:
1.明日に向かって走れ(アルバムミックス)
2.戦う男(アルバムバージョン)
3.風に吹かれて
4.ふたりの冬(アルバムミックス)
5.昔の侍
6.せいので飛び出せ!
7.遠い浜辺(アルバムミックス)
8.赤い薔薇
9.月夜の散歩
10.恋人よ
11.今宵の月のように

※『ROCKIN'ON JAPAN』2016年1月号より転載

過去のレビューはエレファントカシマシのアーティストページをご確認下さい。
http://ro69.jp/artist/2218

次の更新は2017年3月13日(月)19:00です。(毎日7:00、19:00公開予定)
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