【速報】NO NUKES 2017、初日を観ました
2017.03.17 22:15
一年と4ヶ月ぶりに、豊洲PITでの2デイズ開催を迎えたイベント。福島の事故から6年を経て、オーガナイザーの坂本龍一は「ミュージシャンがこんなことをしなくて済む世の中になるように」という、以前から一貫した思いを告げてステージは幕を開けた。
時の流れに溶け込むようなアンビエントミュージックからポエトリーリーディング、そしてソロ曲と、この時代にインプットしたものから最高のアートを紡ぎ出したGotch。
「いつまでも綺麗な夕焼けがありますように」というCHABOの素朴で奥ゆかしい思いを込めながら、目一杯ソリッドで熱い4ピースロックンロールを鳴らしていった麗蘭。
ふたりきりのステージは2度目というUA+坂本龍一は、包容力に満ち溢れた歌声と、静謐に効果的に奏でられるピアノの呼吸に全身鳥肌。UAの一番年上の男の子がこの日めでたく二十歳の誕生日ということで、生命の祝祭感が一層大きく膨らむ一幕もあった。
アコギ一本と歌声だけで面白いようにオーディエンスを沸かせまくったのは斉藤和義。神の摂理に抗い、ときには花粉とも闘う。一言一句からストーリーが明瞭に立ち昇る新旧の名曲連打で、達人のような日本語ロックの時間を生み出した。
そして初日トリはACIDMAN。一悟の強烈なドラムソロから始まって、あっという間に大きなフロアからはみ出すほどのスケール感、切迫感に辿り着いてしまう。凄い。大木の、「僕も未だに悩んでいます。(原発には)もちろん反対なんだけど」という言葉からも、誠実さゆえの苦悩が伺えた。
詳しくは後日公開のライプレポートに書きますが、シリアスな問題に向き合っている人だからこそ生み出すことが出来るアートは、確実に存在する。もしそれに心を動かされたら、そこからまた新しい何かが始まるのだと思う。明日の2日目に参加する方は、たっぷり期待して来てください。(小池宏和)