凛として花開く、不屈の闘志と歌心
最初にシングルで聴いた時から今日に至るまで、“桜の花、舞い上がる道を”の凄絶で美しいメロディに触れるたびに抑え難く全身が震えるのは僕だけではないはずだ。“桜の花〜”“新しい季節へキミと”“絆(きづな)”のシングル3曲に加え、CM曲として大量オンエアされた“ハナウタ~遠い昔からの物語~”といった楽曲群に象徴される通り、宮本浩次の日本屈指のメロディメーカーとしての才気が華麗に切実に咲き誇った19thアルバム。そしてそれによって、時代と/人生と/ロックと決然と向き合い続ける宮本のファイティングポーズをこのうえなく鮮やかに結晶させることに成功した、奇跡的な1枚だ。蔦谷好位置/亀田誠治/YANAGIMAN/生駒龍之介という4人のプロデューサーを擁し、“Sky is blue”のアメリカンロック的な開放感、“おかみさん”の痛快グランジ感、“ジョニーの彷徨”のレニクラばりの鋭利なポップ感、“to you”の晴れやかな爽快感など、サウンド面でも格段に豊かな色彩感を提示してみせた進化作。(高橋智樹)
収録曲:
1.Sky is blue
2.新しい季節へキミと
3.絆(きづな)
4.ハナウタ~遠い昔からの物語~
5.あの風のように
6.おかみさん
7.It's my life
8.ジョニーの彷徨
9.ネヴァーエンディングストーリー
10.to you
11.桜の花、舞い上がる道を
※『ROCKIN'ON JAPAN』2016年1月号より転載
過去のレビューはエレファントカシマシのアーティストページをご確認下さい。
http://ro69.jp/artist/2218
次の更新は2017年3月18日(土)19:00です。(毎日7:00、19:00公開予定)