東京、大阪、名古屋、仙台、高松と5か所を巡り、東京での追加公演も決定している自主企画ツアーの初日。渋谷のTSUTAYA O-nestで、め組、ポルカドットスティングレイをゲストに迎えた一夜だ。ナイスな顔ぶれ。
妄想と切なさに塗り込められため組の楽曲群は、よりタイトに引き締まったサウンドが菅原達也(Vo・G)の歌への没入ぶりを加速させる。メロンパンに負けじと用意した新曲が、その最新モードの演奏にドンピシャリで嵌っていた。
2組目には、動画と口コミを中心に、今まさにシーンの台風の目となっているポルカドットスティングレイ。4月26日リリース予定の新作『大正義』収録曲も出し惜しみなしで、そのポテンシャルの高さを見せつけていた。
そして今宵の主役、おいしくるメロンパン。まさに音速の青春文学である。スリリングなこと極まりない3ピースのサウンドと半透明の歌心が、青春の心象風景を恐るべき解像度でリスナーの胸に転写してゆく。このロック体験をぜひ多くの人に味わって欲しい。
ツアー後には早くも『thirsty』の次の音源制作に向かうという宣言があって、「何事も長続きしない僕が続けられるのは皆さんのおかげです」と語ったナカシマ(Vo・G)の言葉が象徴するように、リスナーの良好なレスポンスがバンド活動を活性化させていることが分かる。最高だった。後日公開のライブレポートに、詳しく書きます。(小池宏和)