本当に素晴らしいドキュメンタリー映画だ。
少女時代の無邪気な姿や、日常でのシャイではにかんだ素顔のエイミ―、
スクリーンをぶち破りそうなほどリアルで圧倒的な歌唱シーン。
後半の怖ろしいほど残酷な現実には、なんでこうなっちゃうの？と何度ももどかしい怒りを感じた。

『アイルトン・セナ~音速の彼方へ~』の監督アシフ・カパディアによる本作は、監督の感情や意図を極力排し、家族や友人、スタッフらの証言と、残された映像によって淡々と描かれる。
だからこそ、生身のエイミ―を感じることができる。
スクリーンから、彼女の一喜一憂が伝わってくる。

歌以外の部分では、本当に子供のままで、日常の営みや生活力をもたなかった天才エイミ―、支えられる誰かがいればよかったのに…。
マーク・ロンソンやトニー・ベネットも登場する。彼女の憧れの人、トニー・ベネットとのデュエットのシーンからは、彼女の興奮と嬉しさが伝わってきてなんだか泣ける。

米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞をはじめ、グラミー賞最優秀音楽映画賞、英国アカデミー賞など海外では30冠以上の映画賞を獲得し、ドキュメンタリー作品としては異例の全世界興行収入約28億円となる大ヒットとなった本作。多くの人が注目していると思うが、音楽ファンには、ぜひスクリーンで観てほしい作品だ。
http://amy-movie.jp/

また、ロッキング・オン８月号、映画コラム『No Moreポップ・コーン泥棒』では、内瀬戸久司さんが愛情に溢れる素敵な原稿を寄稿しています。

27歳でなくなったエイミ―は、来週７月23日、５回目の命日を迎える。（井上貴子）

本作のサウンドトラックも、すでに発売中。全23曲が収録で、映画内に流れるオリジナル・スコア意外にも、レアなライヴ音源やオルタナティヴ・ヴァージョン等11曲が収録されている。
1. Opening - Antonio Pinto
2. Stronger Than Me - Amy Winehouse
3. Poetic Finale - Antonio Pinto
4. What Is It About Men [Live @ North Sea Jazz Festival] - Amy Winehouse
5. Walk – Antonio Pinto
6. Some Unholy War [Downtempo version] - Amy Winehouse
7. Holiday Texts - Antonio Pinto
8. Kidnapping Amy - Antonio Pinto
9. Like Smoke [Demo] - Amy Winehouse
10. Tears Dry On Their Own - Amy Winehouse
11. Seperacao Fotos – Antonio Pinto
12. The Name Of The Wave – Strange Cargo
13. Back To Black [Acapella / Album Medley] - Amy Winehouse
14. Cynthia - Antonio Pinto
15. Rehab [Live on Jools Holland] - Amy Winehouse
16. In the Studio - Antonio Pinto
17. We’re Still Friends [Live @ Union Chapel] - Amy Winehouse
18. Amy Lives - Antonio Pinto
19. Love Is A Losing Game [Live @ Mercury Awards] - Amy Winehouse
20. Arrested - Antonio Pinto
21. Body and Soul - Amy Winehouse & Tony Bennett
22. Amy Forever - Antonio Pinto
23. Valerie [Live @ BBC] - Amy Winehouse