2日間の満員御礼を経て開催3日目となる回顧展「DAVID BOWIE is」の会場では、メッセージ・ボードの下にファンの方が献花され、急遽机が置かれたそうだ。
ちなみに私は昨日、2度目の回顧展に行き、ようやくほぼ全部の展示や映像を体験することができた。
(以下ネタバレがあるのでご注意ください)
帰り道、月を見上げながらふと思い出したのは、ボウイのサナギ時代ともいうべき、上の最初の展示室に書かれていた解説で、
彼の「人生最初の記憶は、廊下で乳母車の中に置き去りにされたこと」だという原風景だった。
ぽつんと置き去りにされて、世界に対して手も足も出ない、
漠然とした孤独な無力感は、そのまま“スペイス・オディティ”へとつながっている。
〈地球は青い 僕ができることは何もない〉――
それは彼の表現の本質でもあり、だからこそ彼は“You”を求めたのだと思う。
“スペイス・オディティ”の展示コーナーも、とても美しかった。
8日に公開された“No Plan”
Here am I nowhere now?
No plan
彼の声も、歌詞も、楽曲も、どこへも行けず彷徨う魂が感じられてとてもせつない。もちろん『Lazarus』という舞台の物語ではあるにせよ。
しかし下記の部分では、彼の創作物を愛し続けるファンへの返答のようで、「DAVID BOWIE is」にぴったりのフレーズだとも感じられる。
All of the things that are my life
My desires
My beliefs
My moods
Here is my place
Without a plan
追記:
「DAVID BOWI is」で絶対見逃してほしくない、おそらく日本だけの企画が、5階の会場を出たエレベーターの手前にある。
「DAVID BOWIE IS A JOY FOREVER」と書かれた場所にあるモニター。
「お誕生日おめでとう」、とボウイが誕生日を祝ってくれるコメント映像だ。
2002年、『ヒーザン』の日本取材の時の映像で、“日本のファンにメッセージを”という質問に対しての答えだったそう。
閉館の4月9日までに誕生日を迎える人にとってはとてもラッキー!と思っていたら、
「でも、これを一年間流し続けたら……」とボウイらしいユーモアが効いてとても素敵だ。
(井上貴子)