『サージェント・ペパーズ』50周年記念盤の制作から今作へのつながりについて本人も語っているが、アルバムを聴いたらその心の動きがとてもよく伝わってくる。
ポールだけが持っている魔法の力で、夢の世界に連れて行ってくれるアルバムだ。
御年76歳にして、子供のように弾む好奇心と生命力に驚くばかりだが、
スリリングで楽しい冒険と同時に、はかなくせつないほどの美しさに溢れ、人間の持ついろんなエモーションが凝縮されている。
こんな最新モードを体験すると、来日がますます楽しみになる。
アルバムを聴き終えたら、ぜひ読んでほしいのが、 ロッキング・オン10月号の記事。
インタヴューとともに、リバプール、キャバーン・クラブでのスペシャル・ライブや、Q＆Aセッションのレポートを12ページにわたって掲載しています。
カニエとの共作エピソードやケンドリック・ラマーの名前も飛び出す新作発売前インタビューでは、今作の話題はもちろん、来るべき『ホワイト・アルバム』50周年盤にも言及。
高野裕子さんによるリバプール現地レポはとにかく臨場感たっぷりで、
ライブの内容はもちろん、故郷だからこそ出てきたビートルズ時代の様々なエピソード（ミックとキースとのタクシー相乗り話など）について語ったMCも綴られている。
なぜ、このタイミングでリバプールでのスペシャルなイベントを行ったのかがよくわかる、アルバムと同じ空気が流れている。
別の角度からマッカの世界に浸れると思う。（井上貴子）
『rockin'on』2018年10月号
