ロックの話ではないけど

ロックの話ではないけど

本日発売となったロッキング・オン4月号では2000年代最大のバンドとなったコールドプレイの来日を、独占インタヴューとライヴ・レポートで徹底的に迎え撃っている(まだチェックしていない人はぜひ買ってください)。『Viva La Vida〜』というアルバムは、そのタイトルにあるとおり、「生と死」というのがテーマというかモチーフとしてあった作品だったが、「生と死」といえば、アカデミー賞の外国語作品賞を受賞した『おくりびと』もそういう作品だ(未見ですが)。で、アカデミー賞が行われるアメリカで「生と死」といったら9.11のことを連想せざるを得ないのだが、現代のアメリカでもっともそのことについて書くべき小説家が、真正面からそのテーマに取り組んだ最新作が、ついに邦訳された。

というわけで本題、ドン・デリーロの『墜ちてゆく男』を読んでます。
デリーロは『アンダーワールド』という作品で表紙にWTCの写真を使ってテロを予見するような小説を書いたり、現代アメリカのいびつさとそこに暮らす人々のある種の孤独さをずっと書いてきた作家。『墜ちてゆく男』は2007年に書かれた小説だが、9.11をしっかり対象化するにはこれだけの時間を要した、ということなのだろう。

小説は、テロから生き延びたひとりの男が、WTCからふらふらと歩いてくる場面からはじまる。(小川)
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