現在再び増刷中で12月中旬完成予定、年内にはお届けします。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、しばしお待ちください。
http://www.rockinon.co.jp/product/book/25793
本書は、映画『ボヘミアン・ラプソディ』にも超ナイス・ガイとして登場する、フレディ・マーキュリーの最後にして最愛の恋人=ジム・ハットンが、フレディとの最後の7年間を愛をもって綴った手記だ。
初めてフレディから声をかけられた時も、音楽シーンに疎かったジムは「フレディって誰?」という感じ。その後、再会した時は、フレディお得意の人をぎょっとさせるようなジョークに対してピリピリした一触即発の状態だったようだ。その緊張感は映画でも描かれていたが、シチュエーションはかなり異なる。
美談だけでは済まされない生々しい部分も当然ながら描かれている。
それでも読んだ後には、フレディは最後に彼と出会えて本当によかった、と少し救われた気持ちになる。
クイーンは、91年10月に最後のシングル“ショウ・マスト・ゴーオン”をリリースした。B面は“キープ・ユアセルフ・アライヴ”。
この曲について、ジムはこう綴っている。
フレディの予想どおり、その問いかけるような、頭にこびりつく歌詞を、マスコミはすぐに取り上げた。フレディがこれほどもろく見えるときに“なんのために生きているのか”“もうすぐ峠を越える”といった歌詞になにか隠された意味があるのではないかといろいろな憶測が囁かれた。僕に言わせれば、彼を一番よく表している歌詞はここだーー“メイクは剥げてるかもしれないけど、僕の笑顔はまだ消えていない”。
そのとおりだった。フレディはどれほど辛くても、だれにも愚痴をこぼさなかったし、どんな同情も求めようとしなかった。これは彼自身の闘いであって、ほかのだれのものでもない。勝ち目がどんどんなくなっていっても、彼は勇敢に立ち向かうことをやめなかった。
本書を、時代を超えて読み続けてほしい理由はこういうところにある。ジム・ハットンは2010年に肺癌で亡くなった。(井上貴子)
『フレディ・マーキュリーと私』 新装版
初版発行日:2004年5月1日
I S B N:4-86052-036-X
著 者 名:ジム・ハットン
定 価:1800円 + 税
目次
前書き
1.フレディって誰?
2.誰を選ぶか決めてくれ
3.秘密のウェディング・リング
4.日本ショッピング・ツアー
5.おまえはクビだ
6.新しい家
7.ダッキンガム宮殿
8.隠れ家
9.人間不信
10.手の届かないところへ
11.逃れられない現実
12.ひとりきりの人生