ジャック・ホワイトのほとばしるギター節が炸裂する約4年ぶりの新曲“Taking Me Back”。家具の修復からショップ開店まで、コロナ禍でも奔走する彼の今後とは?

ジャック・ホワイトのほとばしるギター節が炸裂する約4年ぶりの新曲“Taking Me Back”。家具の修復からショップ開店まで、コロナ禍でも奔走する彼の今後とは? - rockin'on 2021年12月号 中面rockin'on 2021年12月号 中面

ジャック・ホワイトが、ソロとしてはなんと約4年ぶりに新曲“Taking Me Back”を発表した! 2018年に『ボーディング・ハウス・リーチ』を発売し、2019年にザ・ラカンターズで『ヘルプ・アス・ストレンジャー』を発表したが、こんなに間が空くのは珍しい。しかし、その代わりと言っては何だが、ジャックのエネルギーがこれまでになく炸裂した新曲となっているから驚愕。

ジャックのギター・ソロがこれでもかというくらいに果てしなく広がり続け、幾層にもなって襲いかかってくるようだし、何より驚くのは、全楽器を彼が1人で演奏していること。彼は元々ドラマーだが、1曲の全楽器を1人で演奏してしまったのはこれが初なのでは?! ジャックが全方向に爆破したような作品となっているのだ。

しかも、この曲が、世界で累計4億本も売り上げるゲーム・シリーズの新作『コール オブ デューティ ヴァンガード』の予告編に使われるというこれまでにない新展開で、それにも仰天。常に新たな方法で激しく転がり続けるジャックだから納得と言えば納得だが……。今回1人で全て演奏したのは、コロナ禍だったからか?と想像しつつ、すでにこの曲には“Taking Me Back(Gently)”というバンド解釈版もある。これはフレンチ・ジャズで、全く違う表情の曲になっている。ジャックは過去にはバック・バンドを2つ作ったこともあるし、毎回新たな手法で真実を追求していくので、これが新作の予告なのか? この先にどうつながるのか楽しみだ。

コロナ禍ではその他、9月末に自ら経営するサード・マン・レコーズのショップをロンドンにオープンした。店の地下で行ったライブが最高だったとレポートされていたし、2020年には『ザ・ホワイト・ストライプス・グレイテスト・ヒッツ』を発表。また、ジャックならではのレベルの高さで家具の修復などをしてInstagramに投稿など忙しくしていた。

ロンドン店オープン時に英The Time紙の取材に応え、「人生に葛藤がないと怖くなって混乱する」と興味深いことを語っていた。さらに「アートを何らかの形で作っていないと心配になる。なんで常にアートを作り続けていないといけないのか分からないが、そこから逃れられない」とも。天から才能と宿命を授かったからだ、としか言いようがないが、止まれないジャック。この新曲を機にアルバムを突然発表するのか?などと期待も膨らむ。ジャックの今後の動向から目を離すな! (中村明美)



ジャック・ホワイトの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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