ニール・ヤング、傑作『コロラド』から2年を経て再びクレイジー・ホースとセッション! ロッキー山麓、復元された19世紀の“納屋”から2020年代を切り裂くメッセージが届く?

ニール・ヤング、傑作『コロラド』から2年を経て再びクレイジー・ホースとセッション!  ロッキー山麓、復元された19世紀の“納屋”から2020年代を切り裂くメッセージが届く? - rockin'on 2021年12月号 中面rockin'on 2021年12月号 中面

ニール・ヤング、クレイジー・ホースと再び! “Neil Young Archives”から12月リリースがアナウンスされた最新作『Barn(=納屋)』は、そのタイトル通り、コロラド州ロッキー山脈の高原に1850年代に建てられ、最近復元された巨大な納屋を拠点とするオフグリッド環境の中でレコーディングしたというのだから、筋金入りの環境活動家でもあるニール御大らしい、コロナ禍における最良の制作ソリューションではないか。しかも前作同様コロラドという土地へのこだわり。あのマスターピースとの連作要素も強いはずだ。

本稿執筆時点ではオープナーの“Song Of The Seasons”のみ配信されているが、これがまたグッとくる名曲。ニールの哀切なハーモニカと慎ましい6弦ストラムに始まり、ニルス・ロフグレンの渋いアコーディオンがニールの歌を導き、ずっと歌に寄り添いながら味わいを深めていく。そして、《湖のほとりのこの古びた場所で/落ち葉の色の中に/過ちとは無縁の自然の営みが見える》と、「自然は過ちを犯さない(それに比べて人間ってやつは……)」という強いメッセージがさりげなく織り込まれていく。

しかし“納屋”でオフグリッドだからといって、クレイジー・ホースと組んだ以上、全10曲がどれも哀愁フォーク調ということはあり得ない(前作でもディストーション・ギター炸裂の大曲をはじめ熾烈なクライマックスが幾度もあった)。トラックリストを見ても“Change Ain’t Never Gonna”(変化はけっして起こらない)、 “Human Race”(人類)、“Tumblin’ Thru The Years”(何年も転がり続けて)など意味深タイトルが満載。必ずや、ニール御大が吠えまくるキラー・チューンが降臨するはずだ。

そして前作から再びバンドに加わったニルスが、さらに存在感を増すのではないか。なにしろこの人、ニールに加えてブルース・スプリングスティーンルー・リードという3大カリスマから絶大な信頼を寄せられた才人なのだ。そしてハワイで療養中というフランク・サンペドロ(“チェンジ・ユア・マインド”でニール一世一代のギター・プレイとしたたかに絡んだ名演!)も健康を回復し、来年は5人(トリプル・ギター!!)でワールド・ツアー&晴れの来日公演、なんてことまで欲張って祈願したい。 (茂木信介)



ニール・ヤングの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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