【JEFF BECK 1944-2023】 ロッキング・オン最新号は、58年間にわたりギターミュージックの無限大の可能性を探求し続けたジェフ・ベックの追悼総力特集です

【JEFF BECK 1944-2023】  ロッキング・オン最新号は、58年間にわたりギターミュージックの無限大の可能性を探求し続けたジェフ・ベックの追悼総力特集です - rockin'on 2023年4月号 中面rockin'on 2023年4月号 中面

ジェフ・ベック追悼の声が止まらない。

この号が出る頃の書店、音楽関連コーナーには各種特集号、別冊がたくさん並んでいるはずだ。なぜこれほどに、というと、それは彼がギターだけを武器に、一貫してやりたいことに忠実に生き通したからだ。

バンドを作っては壊したり、なかなか固定バンドを維持出来ず、またいわゆるスーパースターらしい行動とは無縁な人だった。ただ徹底していたのは自分の美学に忠実であること。逸れたと思えば、すぐにバンドを辞めたり停止するのを厭わない活動を、50年以上にわたりやってきた。ロックだけのこだわりもない。ジミ・ヘンドリックスもジャズギターの王様ウェス・モンゴメリーもジプシージャズのジャンゴ・ラインハルトもロカビリーのクリフ・ギャラップも彼の美学の中では等価のギターヒーローで、それはある意味、あの超絶ギターテクニックを支えたものなのである。

もちろん、第1期ジェフ・ベック・グループで築いたハードロックの礎は、ロック史において最重要なひとつだし、70年代半ばのジャズロック的な世界はギターインストのフィールドを大きく広げ、多くのファンを生み出していった。しかしどんな地点であれ安住することなく、何ものかに向かっていたのがジェフという人だ。

そんなロック界でも一風変わった活動スタイルだからガンコ、偏屈なんてイメージもあるが、それを簡単にひっくり返すのがライブ映像『ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート』だ。ギブソン・レスポール生みの親、名手レス・ポールへのトリビュートライブで、通常のライブではほとんどギターを変えないジェフが、ここではストラトを始めテレキャスター、グレッチのセミアコやギブソンのES-175といった各種ギターを、取り上げた曲のオリジナルバージョンに合わせて使い、しかもそのフレーズも丁寧にカバーしているのだ。おそらく入念にリハを行い、鬼練習したのは明らかで、それは巨人たちへの純度の高いリスペクトであり、それこそジェフが一貫して持ち続けたものなのだ。

そんな姿がこのインタビューやディスコグラフィーからも浮かび上がってくる。 (大鷹俊一)




ジェフ・ベックの追悼総力特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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