現在発売中のロッキング・オン6月号では、ヴァンパイア・ウィークエンドのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「僕が日本にいる間、このアルバムにまつわる一番の思い出でもあるのは、毎日渋谷まで歩いて行って、喫茶店ライオンに通っていたこと。
コーヒーを飲んで、バッハから、ヴィヴァルディ、チャイコフスキーなどを聴きながらね」
●新作は、過去のサウンドと新サウンドが交差しながら、深い歌詞とともに細部まで徹底的に拘った音作りがなされています。それでいて、曲がグルーヴと歓喜を失わないのが素晴らしいと思います。あなたとしては今どのように思っていますか?
「アルバムが完成した時、アリエル(レヒトシェイド/プロデューサー)と、『これだ! これが僕らが作りたかったアルバムだ』と言っていたんだ。大好きだったし、これで良いと思えた。だから他の人がどう思っても関係ない(笑)。若い頃はそう思えたこともなくて、絶対にナーバスになって、みんなも気に入ってくれればいいなと思っていたけど。このアルバムには、できたという達成感があったんだ。それに傲慢ではないと思いたいけど、自信もあったしね。だから万が一みんなが気に入ってくれなくても、仕方ない。目指していたアルバムを、完全に形にできたと思えるから。みんなからの反応も一般的には良いと思うし。唯一言えるのは、このアルバムが暗くて、希望がない作品なのでは?という論争がよく起きること。だから今君が、アルバムを通して喜びがあると言ってくれて嬉しかった(笑)。でもそういう論争が起きていいと思う。ヴァンパイア・ウィークエンドの作品が、多次元なものであって欲しいと思うし、僕がファンとして他のミュージシャンの作品を聴いても、1曲の中で悲しみも喜びも感じる。それが人生の本質だからね。音楽を通して作品を作るなら、自分の人生観や現実を象徴するものにしたいと思うし、人生や現実って様々な感情が交わるものだしね」
●作品の最初の歌詞が《ファック・ザ・ワールド》(=世界なんてクソだ)で始まり、最後の曲がバンドとしては長い“ホープ”(=希望)なのがまず素晴らしいなと思いました。このアルバムは、《世界なんてクソだ》と言うところから、最後は時間はかかるけれども“希望”を見出すまでの旅路が描かれているのかなと思ったのですが、いかがですか?
「僕もこのアルバムを全く同じように見ているよ。100%ね。ただ、そういう作品だと気付くのに時間は掛かったんだ。アルバム制作中は、とにかく曲がたくさんあるってだけだったから。“アイス・クリーム・ピアノ”を1曲目にしたいというのは自分で決めていたし、“ホープ”を10 曲目にしたいのも決まっていた。だけどその間は、バンドメンバーや、友達とかコラボレーターの助けが必要だった。実際“クラシカル”を2曲目にするというのは、クリス・バイオのアイディアだったし。エネルギーがあっていいからって。それで、曲順が決まってから、自分で改めて見てたら、君が言ったように、このアルバムって旅路なんだと気付いた」
(以下、本誌記事へ続く)
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