Vampire Weekend

Vampire Weekend

来年1月にアルバム『コントラ』のリリースを控え、
ヴァンパイア・ウィークエンドが来日。
去年のサマーソニックのライヴは観られなかったので、
今回初めて観たのだが、改めて不思議なバンドだった。
たとえばMGMTとか、グリズリー・ベアとかとは
まったく違う立脚点に立ち、まったく違う方向を向いて音を鳴らしている。

彼らの描く世界はものすごくキラキラしていて、
ものすごくポジティヴで、ものすごく楽しいものなのだが、
同時にものすごく乾いてもいる。
陰がないというか、何かのアンチテーゼや揺り返しとしての
ポップやポジティヴィティではないというか。
めちゃくちゃ知性的なのに、脳を経由していない直反応で、
彼らはギターをかき鳴らす。だから要するにパンクなのだが、
出発点がマイナスではなくプラスなのだ。
プラスというより、ゼロなのかもしれない。

そのくせエズラはやたらと「一緒に歌って!」と観客のコミットメントを求めていたが、

それはありがちな「目の前の君たちと繋がりたい、分かち合いたい」
というエモーショナルなものではなくて、
もっとドライで、いってしまえばヴァーチャルな匂いのするものだった。

そういえば、『コントラ』というアルバム・タイトルは
コナミが作ったゲーム『魂斗羅』から取ったらしい。
なるほど。

アンコールで演奏された『コントラ』のオープニング・ナンバー“Horchata”は
やっぱりすばらしい曲だった。(小川)
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