75歳になったポール・サイモンの最新作は、素晴らしい冒険心に満ちた革新的な意欲作だ

75歳になったポール・サイモンの最新作は、素晴らしい冒険心に満ちた革新的な意欲作だ
75歳のポール・サイモンが僕たちに届けてくれた最新作は、素晴らしい冒険心に満ちた革新的な意欲作だ。前作「ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット」はニューヨーク・タイムズ紙の年間ベストアルバムの2位に選ばれた傑作だが、この「ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー」も同じように新しい価値観が提示された素晴らしい作品になっている。
ポール・サイモンは自分のなかで、アルバムを作る必然がないと制作に向かわない人だと思う。
つまり新しい作品によって提示したい新しい物語が見えてから、アルバムは作られる。
今回の作品は、ポール・サイモン自身の手になるライナーによると、ハリー・バーチの微分音楽器にインスパイアされたものらしい。ハリー・バーチは1オクターブを43音階だとした20世紀の作曲家。
正直、論理的にポール・サイモンのこの作品に込めた物語は理解出来ていないが、彼が新しい物語に興奮し、強いモチベーションを持って制作に取り組んだことは、音から強く感じることはできる。
75歳で新しい音楽の扉を開けるエネルギーを持っていることに感動する。ボウイにしろディランにしろ、そしてこのポール・サイモンにしろ、挑戦に終わりはない。
今夜のワールド・ロック・ナウでしっかり紹介します。
渋谷陽一の「社長はつらいよ」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする