ポール・サイモンは自分のなかで、アルバムを作る必然がないと制作に向かわない人だと思う。
つまり新しい作品によって提示したい新しい物語が見えてから、アルバムは作られる。
今回の作品は、ポール・サイモン自身の手になるライナーによると、ハリー・バーチの微分音楽器にインスパイアされたものらしい。ハリー・バーチは1オクターブを43音階だとした20世紀の作曲家。
正直、論理的にポール・サイモンのこの作品に込めた物語は理解出来ていないが、彼が新しい物語に興奮し、強いモチベーションを持って制作に取り組んだことは、音から強く感じることはできる。
75歳で新しい音楽の扉を開けるエネルギーを持っていることに感動する。ボウイにしろディランにしろ、そしてこのポール・サイモンにしろ、挑戦に終わりはない。
今夜のワールド・ロック・ナウでしっかり紹介します。