「ビートたけしの幸せ三面記事新聞」について

「ビートたけしの幸せ三面記事新聞」について

2月9日発売なので、既に1ヵ月半が経ちますが、TBS『情報7days ニュースキャスター』の、ビートたけしのコーナーのネタをまとめた単行本、『ビートたけしの幸せ三面記事新聞』、まだまだ絶賛発売中でございます。
発売当初、『ニュースキャスター』の番組内で、たけしさんご本人が2週にわたって大プッシュしてくださったほか、水道橋博士が出演した時の『ゴロウ・デラックス』でも、博士の本『藝人春秋』に対してコメントする、ということでVTR出演し、結局自分の本の宣伝しかしない、という形で、PRしてくださいました。
おかげさまで順調に売れています。

たけしさん、今もハイペースでいろんな本を出しておられますが、ギャグ主体の本は、ものすごく久々です。厳密にいうと、2009年に新潮社から『漫才』という、ビートきよしさんと漫才をしている体で書き下ろした本を出しておられますが、今回のこれみたいな、いわゆる「ギャグ本」的なものは、下手すると90年代以降、出してないかもしれません。あ、「FAMOSO」とかもギャグ本ですが、こういう、活字のネタを主体としたギャグ本は、ほんとに久々だと思います。

そして。80年代のビートたけしは、日本でもっとも売れているお笑いタレントであると同時に、本を出すたびに何百万部も売れるようなベストセラー製造機でもありました。その数限りない本の中でも、特に人気があったふたつのシリーズが、漫才ブームの時にツービートとしてKKベストセラーズから出し始めた『わッ毒ガスだ』シリーズと、漫才ブーム後に始めた『ビートたけしのオールナイトニッポン』の単行本シリーズでした。
特に後者は、番組が終わるまでの10年間で全9冊が刊行され、番組終了時にはその9冊をまとめた巨大な単行本も作られました。『ビートたけしの幸せ独り占め』『ビートたけしの幸せになってしまいました』『ビートたけしの三国一の幸せ者』などと、すべての本のタイトルに「幸せ」という言葉が入っている、というシリーズで、前述の、最後の総集編的な本は、『ビートたけしの幸せ丸十年』という書名でした。

つまり、この『ニュースキャスター』の単行本は、勝手にそのシリーズに続く本にしよう、と考えたわけです。表紙は、そのシリーズの5冊目から10冊目のイラストを手がけておられる漫画家の小槻さとし先生に新たに描き下ろしていただき、しかもその10冊目の『ビートたけしの幸せ丸十年』の装丁をパクリ、絵の構図も同じようにして、書名にも「幸せ」を入れる、という。
要は、80年代に「ビートたけしのオールナイトニッポン」に人生を変えられた、日本中に何十万何百万人といる、当時の中高生・現在のおじさんやおばさんたちが、書店で見つけて「ああっ!」ってなる本にしたかったわけです。せっかくの、たけしさんの久々のギャグ本だし。っていうか、自分もモロに、その世代のそういう奴だし。

あと、かつてはたけしさんに熱狂したけど、今はすべてのレギュラー番組をチェックするほどではない、でも『ニュースキャスター』だけは必ず観ている、というたけしチルドレン、私の周囲に多いのです。きっと、日本中にいると思います。そういう人たちに届く本にしたかった、というのもあります。

ただ、ニッポン放送でやっていた番組の本のコンセプトを、TBSの番組の本が継承するってありなの? という問題があるので、当時ニッポン放送で「オールナイトニッポン」のディレクターを担当されていた方に連絡をとり、ご相談したところ、あっさり許可をくださいました。
ありがとうございました、鳥谷さん。って名前書いてどうする、って話だけど、当時、「たけしのオールナイト」のリスナーはみんな鳥谷さんのことを知っていました。その前任ディレクターの森谷さんのことも知っていました。現オフィス北野社長の森さんのことも「テレビ制作会社スーパープロデュースの森さん」として知っていたし、当時まだタレント化する全然前だったテリー伊藤のことも、「IVSの伊藤さん」として知っていました。そういう番組だったのです。

「おまえ、将来、鳥谷さんから直接メールもらうぞ」と、高校生の頃の自分に教えてやりたいです。びっくりすると思う。というか、ビートたけしの本を自分が作っている、という時点で、もう信じられない話だと思いますが。

というわけで、たけし世代で、まだこの本を手にとってないという方、ぜひ。もちろん、それ以外の世代のみなさんも、ぜひ。
詳しくはこちらを。http://ro69.jp/product/book/detail/77966   (兵庫慎司)
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