ロッキング・オン・ジャパンMr.Children表紙巻頭号『激刊!山崎』より

ロッキング・オン・ジャパンMr.Children表紙巻頭号『激刊!山崎』より
今月号のインタビューで、BUMP OF CHICKENの“天体観測”の元の仮タイトルが“どっこいしょ”だったというのは軽い衝撃でしたけど、はたしてどの部分で藤くんは「どっこいしょ」と歌っていたんでしょうか。いやそれはもう間違いなく《見えないモノを見ようとして望遠鏡を覗き込んだ》の《覗き込んだ》の部分でしょうね。いや、もしかして《大袈裟な荷物しょって来た》の《しょって来た》の部分でしょうか。あり得ますね。ひょっとすると《哀しみの置き場とか》の《置き場とか》かもしれない。歌い方の感じからすると意外と《そうして知った痛みが》の《痛みが》が「どっこいしょ」だった可能性だってなくはない。気になってきた。インタビューで藤くんに確認すればよかった。こういうのって気になり始めるときりがないので、とりあえず頭の中で好きなだけ「どっこいしょ」をふんだんに盛り込んで”天体観測”を歌ってみたら、気が済んでもう気にならなくなりました。ファンのみなさん、BUMPのメンバーごめんなさい。
「どっこいしょ」といえばMr.Childrenのことで思い出す強烈な思い出があります。
あれは2018年の『重力と呼吸』ツアーのどこかの地方公演でのこと(だったと記憶してます)、せつなくも優しい曲”秋がくれた切符”を歌い終わった桜井和寿が、MCするために珍しくJENのドラム台に腰を下ろしたのですが、そのときにオンマイクで思いっきり「どっこいしょ!」と言ったんです。客席からはクスクス笑いが起きていました。そのときのライブのMCではいつものようにいろんな素敵な話をしてくれたのですが、この「どっこいしょ」の味わいに勝るものはありませんでした。最高の楽曲の数々を完璧に歌い切り、ステージの上で最高に輝いていた桜井さんが腰を下ろしながら言う「どっ、こいー、しょっ」の響き。これ以上に「ギャップ」という言葉がいい意味でピッタリくる瞬間はないと思いました。これがスーパースターということなんだな、と痛感しました。このときのお客さん、どれほどまでに癒やされたことでしょう。僕もこの瞬間に思わず「地方まで観に来てよかった」と思ってしまいました。ファンのみなさん、ミスチルのメンバーごめんなさい。
さてこのコラム、お察しの通り今月はなんにも考えずに極めて好き勝手に書き始めてしまったわけですが。
BUMPの幕張メッセでのライブが発表されましたね。涙の延期を経ての、いよいよBUMPの2年8ヶ月ぶりの有観客ライブです。ミスチルもついにツアーが始まりました。今月号で対談してくれた清水依与吏のback numberのアリーナツアーも始まっています。そうです。ついに、音楽シーンに「ライブ完全復活」の大きな波が起きているのです。
僕も、こんなことしてちゃいけない。どっこいしょをネタにコラムなど書いている場合ではありません。現場に入らなければいけません。5月1日からJAPANJAMが始まるのです。ブッキング担当として、出演してくれるアーティストを迎え入れる準備をして、彼らに最高のパフォーマンスをしてもらえるよう開催中は5日間走り回ります。そして夏はROCK IN JAPANです。千葉市蘇我スポーツ公園での初めての開催。こちらもブッキングに全力を尽くしています。みんながライブを、音楽を、イヤというほど楽しめる2022年にするべく頑張ります。雑誌もフェスも応援よろしくお願いします。(山崎洋一郎)
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