歌も演奏も、セットリストもMCもすべてがバランスよく健やかで、観客は少しも心を乱されることなく安心して音楽だけに身を委ねることができた。
こう書くと普通のことのように思えるかもしれないけれど、そうあり得ることではない。
歌詞や音楽の中に揺らぎや惑いを丁寧に封じ込めてそれを美しい歌として成り立たせているスピッツだからこそ、こんなにも潔く健やかにステージからそれを放てるのだ。
いつものように今回も彼らの音楽性の高さに改めて感服したのとともに、そんなことを僕は思った。(山崎洋一郎)
『ROCKIN'ON JAPAN』2月号のご購入はこちら