U2と日本のファン、双方の愛が爆発した13年ぶりの来日公演――『ヨシュア・トゥリー』完全再現でみせた圧倒的なステージとメッセージ性を体感した!

U2と日本のファン、双方の愛が爆発した13年ぶりの来日公演――『ヨシュア・トゥリー』完全再現でみせた圧倒的なステージとメッセージ性を体感した! - pic by Yuki Kuroyanagipic by Yuki Kuroyanagi

この年末にきて2019年最高のライブ体験となった!!

ヨシュア・トゥリーの影が映るステージBでラリー(・マレン)がドラムを叩き出し、ジ・エッジ(G)があのイントロを弾きながら登場した瞬間の爆発的な歓声には日本中のファンの思いが凝縮されていた。

あっという間に月日が経ち、なんと13年ぶりとなる来日公演。ため込まれたファンのマグマはU2をも揺さぶり、特別なテンションの濃密ライブがくり広げられたが、結果としてこの「ヨシュア・トゥリー・ツアー」が彼らにとって、いかに特別なもので、いかにこれを持ってくることにこだわったかをとことん納得させてくれるステージだった。

ステージBでの“Sunday Bloody Sunday”、“New Year's Day”、そして“Pride (In The Name Of Love)”といった当時まだ若かった彼らにとって特別な曲は、まるでダブリンのライブ・ハウスのステージを思わせるが、会場中がスマホのライトによる星空となった“Bad”で丁寧にデヴィッド・ボウイの“Heroes”が歌い込まれていく瞬間からは、社会の諸問題への彼らの変わらぬ思いが伝わってくる。

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約30分のイントロとも言えるパートを終えると、ゆったりとメインのスクリーン前へと進み、広大な風景の映像をバックに、このアルバムと共に音楽体験を深めていったすべての人たちの気持ちが乗り移っているかのような“Where The Streets Have No Name”(邦題:“約束の地”)が始まり、“I Still Haven't Found What I'm Looking For”(邦題:“終りなき旅”)、“With Or Without You”が演奏されいくが、8KのLEDスクリーンの美しさと説得力は圧倒的で、モノクロ映像の繊細なニュアンスがこのサイズで感じられるのは初めての体験だ。音響も含め、最高のライブ・シチュエーションを追究し続け、その結晶としてこのステージがあることをとことん見せつけてくれたし、このアルバム発表当時、アメリカン・ルーツ・ミュージックに向かい合っていた彼らと共に旅する感覚も味わえた。

そして内戦で子供を失った母親をテーマとした複雑な“Mothers Of The Disappeared”で荘厳に『ヨシュア・トゥリー』を締めくくり、初アメリカ上陸のときに感激して作ったナンバー“Angel Of Harlem”で本編が終了。

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アンコール突入前には自前のラジオ局「U2X RADIO」を2020年にスタートすると発表し盛り上がるなか、“Elevation”、“ Vertigo”と人気曲を怒涛の勢いで続けるが、ひときわ異彩を放ったのが“Ultra Violet (Light My Way)”で、人権問題やサフラジェット等々で戦う女性たちが次々とスクリーンに映されていく。市川房枝に始まり、紫式部や伊藤詩織、#KuToo運動の石川優実なども登場する日本バージョンの映像は、とてもしっかりとしたU2のリサーチ力ならではの演出だ。

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「人は全員が平等になるまで、誰も平等ではない」のメッセージがステージ上に巨大なモノリスのように築かれたライブは、最後に一つの愛、一つになることを訴える“One”で観客一人一人の胸にみごとに落とし込まれていった。

今回のU2来日公演、さらなるロング・レポートは1月7日発売予定の『ロッキング・オン』にて!(大鷹俊一)



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