エアロスミス の「ツアー引退表明」から約1ヵ月が経過。あれ以降、バンド側からの目立った情報更新もなく、ごく最近になって聞こえてきたベーシストのトム・ハミルトンの発言 にしても「将来がどうなるかはまだ何とも言えないが、ツアー実施の可能性はもうない。スティーヴン以外の誰かを加えてやるという話も切出ていないし、そんなことは想像すらできない」という内容。
実際、今回の一件の発端はスティーヴン・タイラーの喉の回復の遅れにある。どうやらそれを待たずして見切り発車することだけはなさそうだが、とにかく今は、彼の完治後に何らかの形で活動が続いていくことを願うしかない。
当然ながら今いちばん読みたいのは、当事者であるメンバーたちの最新インタビューということになるが、残念ながら現在の彼らはプレス対応に応じていない。その代わり、というわけではないが、ロッキングオン10月号には、1976年当時の貴重なロングインタビューが掲載されている。
代表作のひとつである第4作『ロックス』完成後に行なわれたそのインタビューには、プロデューサーのジャック・ダグラスも同席しており、恐れを知らぬ若き日の彼らのリアルで遠慮のない発言が詰まっている。
その中でトムが「俺たちがバンドの形にまとまる最大のきっかけは、スティーヴンの存在だった」と発言している のも見逃せないし、半世紀を超える歴史を持つこのバンドの今を探るうえで、この48年前の記事に目を通すことにも大いに意味があるように思う。是非、誌面をチェックしてみてほしい。(増田勇一)
エアロスミスの記事が掲載されるロッキング・オン10月号