2014年の東京で鳴るポップ

luki『東京物語』
2014年11月19日発売
ALBUM
luki 東京物語
前作『パープル』で描いた、The xxやBeach House的なドリーム・ポップの香りは残しつつも、今作で大胆に取り入れられているのは全世界を席巻しているEDMだ。lukiという孤高のシンガーソングライター、そして、Coccoやエレカシ等で知られる根岸孝旨、ケツメイシ等で知られるYANAGIMANという一流のサウンド・プロデューサーがタッグを組み、そのEDMに取り組んだらどうなるか。
強烈なノスタルジーが覆う“東京”から始まり、東京に暮らすひとりの女性にとってのごく普通の光景が流麗に膨らんでいく。駅前の青いベンチや、遠い夏の観覧車や、許されない秘密の愛や、自由への切望といった普遍的な光景や感情が、先鋭的なポップミュージックに完璧に溶け込んでいる。それに加えて、例えば、『ロスト・イン・トランスレーション』のストレンジャーから見た東京。あるいは、『ブレードランナー』の未来的で猥雑な光景。そのような都市の手触りもミックスされているのが非常に魅力的。ラストの壮大なシンセポップ、慈愛で時代をも超えようとする究極の希望の歌“100年後のあなたへ”が特に圧巻だ。(小松香里)
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