ラナ・デル・レイ、初の集大成

ラナ・デル・レイ『ハネムーン』
発売中
ALBUM
ラナ・デル・レイ ハネムーン
何枚アルバムをリリースしようとも、カルチャーを包括するアイコンとして立ち位置を確立させようとも、そのどこにも属さないクリエイターで居続けつつ、ハイ・アートをポップ・ミュージックに持ち込む存在はラナぐらいしか思いつかない。ソングライティングのパートナーでフィアンセだった人物と別れたという噂を経て届いたアルバムが『ハネムーン』とくれば、この人がどれほどの意志でラナ・デル・レイという物語を生きているかが伝わってくるが、そういう密室のフィクションともとれるストーリーを考えても本作は1stと2ndに近い。だがおそるべきはその完成度。映画『マルホランド・ドライブ』的な世界観に挑むアーティストは数知れないが、“フリーク”をはじめダウン・テンポのマイナー・キー・ナンバーと、ラナ流ラップ(?)が聴ける “ミュージック・トゥ〜”、それにピアノやオーケストレーションを軸にしながら音響音楽的な広がりをも達成しているさまは、ケイト・ブッシュを思わせもする。50年代、60年代アメリカ像の退廃に憧れるラナの世界観が完成を見、はからずも10年代的なミニマリズムと交差した傑作である。(羽鳥麻美)
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