痩せてない、青くない『耳噛じる』

マキシマム ザ ホルモン『耳噛じる 真打』
発売中
ALBUM
マキシマム ザ ホルモン 耳噛じる 真打
今作はマキシマム ザ ホルモンのDVD『デカ対デカ』に内包されている1枚だが……聴いてみて、改めて思う。これ、単独でリリース成り立つ意味合いとクオリティでしょ! 廃盤にも拘らず、ライヴで演奏されていた楽曲も多く収録している1stアルバム『耳噛じる』。その再録。再録ものが成功している場合は、今のライヴのアレンジだし、音もいいし、スッキリ!と感じられるが、今作はそこに留まらない。収録曲や曲名、曲順が若干変わり、アレンジからはライヴにおけるアップデートとは違った、重厚感や物語性を感じる。特に“握れっっっっっっっっ‼”と“パトカー燃やす~卒業~”は、やっと亮君は理想を形にすることが出来たのかもしれないな……と思ったら、しみじみしてしまうほどだ。さらに、“アバラ・ボブ〈アバラ・カブセル・マーケッボブ〉”で上田剛士(AA=)をProgramming&Co-arrangementで迎え、露骨にTAKESHI節を際立たせているところも、世代感が出ていてキュンとする。これで若気の至りを飲み込み、ますますビルドアップしていくのかと思うと、本当に恐ろしく楽しみ。(高橋美穂)
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