“naked”（全裸）名義でのバンド初のアコースティックアルバム。ライブではシチュエーションに応じて披露していたアコースティックだが、音源化を待望していたファンも多いのでは？ 代表曲“Eric.W”も“higher”も“夜の向こうへ”も、軽妙洒脱かつリリカルなアレンジメントで再構築されていて、プレイヤー個々の技巧が一層際立っているし、何より音圧というレイヤーが外れたことでメロディラインの浸透圧みたいなものに改めて惚れ惚れさせられる（特に“クレメンタイン”とか。ちなみにアレンジの方向性としては原曲に忠実なものとゼロベースから組み直したふたつのベクトルがあるそう）。でも、アコースティック楽器の共鳴による豊穣なサラウンドに心酔しながらも、いつしかコンセプトは後景に退き、あなたはただ、あの親密で時にファンキーな、いつも通りのバンアパワールドに酔いしれていることに気づくだろう。それだけバンアパという表現が4人固有のものだという何よりの証左にも本作はなっていると思う。あ、同発される□□□とのコラボ盤も必聴。ファンはコーフン＆爆笑必至ですから！（奥村明裕）