今年4月から3ヶ月連続で3枚のミニアルバムをリリースしてきたDADARAYが、今回満を持してメジャー1stフルアルバムをリリース。3作品に収録されている楽曲も含め、“少しでいいから殴らせて”、“トモダチ”などの新曲もしっかりと織り込まれている。今まで聴いてきた楽曲がひとつの盤に集結したことにより強く思ったのが、楽曲の持つ「都会の夜」を思わせる洗練さは勿論、各曲の中でリフレインされる言葉が醸し出すオンナの弱さと強がりのバランスが毎度素晴らしいなということだ。《強い女でいさせて Oh Baby 本当は私も悪いのよ／でも今は忘れてほしい 弱い男になってて》（“少しでいいから殴らせて”）という狡さは、女の子でも女性でもなく「オンナ」、しかも「イイオンナ」でなければ通用しない。誰もが羨むようなきらびやかで強そうな人が隠そうとする見栄や脆い内側の部分を、華やかなのに儚いボーカルが哀しいほど綺麗に表現しているなと心底思う。自分が一番傷つくとわかっていても、こんなオンナになってみたい。そんな憧れを抱かせてしまう、艶やかな色気を纏ったちょっと危険な作品だ。（峯岸利恵）