菅田将暉が歌うという必然

菅田将暉『LOVE』
発売中
ALBUM
菅田将暉 LOVE
米津玄師の手による“まちがいさがし”に顕著なように、今作のすべての曲について、菅田将暉が歌うということに圧倒的なリアリティがある。どの提供曲もすべてが菅田将暉の歌であり、菅田将暉でなければいけないと思える歌だ。秋田ひろむ(amazarashi)、石崎ひゅーい柴田隆浩(忘れらんねえよ)志磨遼平ドレスコーズ)らが手がける楽曲の歌詞やメロディから、菅田将暉という表現者の必然と本質が色濃く立ち現れる。あいみょんの提供曲“キスだけで feat. あいみょん”でも、それを大いに実感させられる。1コーラス目は女性目線の歌詞を菅田が歌い、2コーラス目の男性目線の歌詞をあいみょんが引き継ぐ。女性のダウナーでメランコリックな気分を生々しく、それでいて文学的かつ物語的に描く楽曲は、この2人の組み合わせでなければここまで見事に表現し得なかったはずだし、菅田との共演だからこそ、あいみょんはこの曲を書き上げることができたのではないか。そうした提供曲とも共鳴するかのように、菅田自身が作詞作曲を手がける自作曲群も、前作以上に音楽への情熱と衝動に溢れている。見事。(杉浦美恵)
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