新時代への咆哮

ブリング・ミー・ザ・ホライズン『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』
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ALBUM
ブリング・ミー・ザ・ホライズン ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー

アルバム『アモ』から約2年ぶりにリリースとなる最新EP『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』は、原点回帰的なハードコア・ナンバー“ディア・ダイアリー”でスタートする。ノイジーなリフと低音のベース、生の躍動が活きたビートの連打、がなるように歌うオリヴァー(Vo)の切迫したテンション等、そのアンサンブルは余計な装飾を引っ剥がして、エネルギーの飛沫が迸っているのがわかる最高の曲だ。今回はこういうネイキッドなノリかと思いきや、そこからジェットコースター的に様々なテクスチャーを織り交ぜたBMTH節が炸裂。ヤングブラッドをフィーチャーしたメロディアスなロック“オベイ”や、BABYMETALとの憂いを帯びたカオスなメタル“キングスレイヤー”、またエイミー・リー(エヴァネッセンス)との儚く美しい曲やパンキッシュなノヴァ・ツインズという劇薬を投入したデジタルなチューンといった、ゲストを迎えたならではの遊びある展開を見せる。

メタルコア、ラウド・シーンの急先鋒としてUK、USへとスケールを拡大し、前作でその勢いはポップ・シーンにまで広がって、ダイナミックなショーと洗練されたサウンドで裾野を広げてきたBMTH。他バンド同様にこのコロナ禍でツアーが満足にできないことも理由だと思うが、今回のEPを皮切りに『ポスト・ヒューマン~』をシリーズ化してよりスピーディに、今聴かせたい曲、今のバンドのモード感を時差なく伝えることに舵を切った。先駆けて配信された“パラサイト・イヴ”は意図せずこの不穏なパンデミックとも重なる内容になったが、そのシンクロニシティもクリエイターとしての嗅覚でもあるだろう。そういう鋭敏さと、彼らのその時々のノリが、リアルタイムで共有できるのは楽しみだ。(吉羽さおり)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
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ブリング・ミー・ザ・ホライズン ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー - 『rockin'on』2020年12月号『rockin'on』2020年12月号
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