約2年ぶりのフルアルバム。夢も足も止めずに走ってきた日々を結実させた2ndは、全14曲の隅々までエネルギーが満ち満ちている。《平成!僕たちは息を吸って吐いていました/令和!僕たちは新しい時代の先駆けです》と、堂々“宣誓”する1曲目にはじまり、ラモーンズばりのイントロで“番狂わせ”へ。《イエス!生き抜くために息してる》とシンプルに生を肯定し、《しょうもない大人になりたいわ》と愉快に言い切ってみせる。なんて頼もしいんだろう! 鋭さもユーモアも、自信も真実も、何ひとつ遠慮することなくブチかます彼女たちは、ロックンロールの強さを体現していると思う。
《わだかまりも水溜まりみたいに/乾いたり消えたりしないかなぁ》という詩情に思いを巡らせる“プレイリスト”。林萌々子(Vo・G)のユルっとした歌い方に、フッと肩の力が抜ける“あいまい”。つんのめる曲調もやるせない歌詞も青春そのものな、その名も“きみは春”。などなど……様々な風景を見せ、感情に触れる楽曲ばかり。まっすぐなやり方で、闇を切り裂き、視界を広げる。温かみと才気がほとばしる大作だ。(高橋美穂)
恐るべしエネルギー!
Hump Back『ACHATTER』
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