佐藤千亜妃はここまで来た

佐藤千亜妃『KOE』
発売中
ALBUM
佐藤千亜妃 KOE
本人と河野圭の共同プロデュース。名越由貴夫、King Gnuの新井和輝、石若駿、mabanua、山口寛雄、THE ORAL CIGARETTESのあきらかにあきら、内田麒麟ストリングスなど、多くの一流プレイヤーが参加して作られた、ソロとして2作目、ミニアルバムを入れると3作目となるニューアルバムだが、いきなり1曲目の“Who Am I”で、「そうか、だからこのメンバーが必要だったのか!」と、わかるはずだ。歌で表そうとしていることと、バンドの音が、完全にリンクしている。特に、曲後半の展開がすさまじい。

全12曲中、多くの割合を占めるラブソングも、それ以外の曲も、すべてが「生き死に」というテーマに直結する歌詞である。でありながら、メロディは常に口ずさみたくなる平易さを持っている。「重さ」と「ポップさ」は相反するものではない、「重さ」があるほど伝わる場合もある、なぜならみんな「重さ」を抱えて生きているから。という、当たり前だが大事なことを教えてくれる。ここまでのものを作っちゃったら次は苦労するだろうな、と心配になるほどのアルバム。(兵庫慎司)

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