ずとまよ流の「直球」な応援歌

ずっと真夜中でいいのに。『猫リセット』
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ずっと真夜中でいいのに。 猫リセット
『ぐされ』のリリース以降も、ずとまよは“あいつら全員同窓会”“ばかじゃないのに”と、自らの表現の幅を広げる意欲的な楽曲を次々と発表してきたが、今回もすごい。まず、ファミコンを想起させる8bit風のサウンドで彩られた幕開けにグッと引き込まれる。歌詞の冒頭にも登場する「猫リセット」とは、猫がゲーム機のリセットボタンを押してしまうアクシデントのこと。《自分の存在定期的に/猫リセットできたら潔いのにな》という一節は、その可愛らしい言葉の響きとは裏腹に、自分以外の誰かのせいにして何もかも投げ出してしまいたいという自暴自棄な諦念を表している。しかし、サビで繰り返される《違う違う ただ僕に合う長所 選んでいいかな》という一節が示すのは、自分の長所を活かしながら輝ける場所を諦めずに探し続ける意志だ。その意志を宿したACAねの凛とした歌は、日々迷いながら自らの居場所を探し続ける人々の背中を力強く押すはずだ。また、特筆すべきはリズムセクションで、サビにおけるキメの連続や間奏のドラムソロなど、新たなトライアルも光る。2月の新作への期待が高まる。(松本侃士)

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