ドラマから劇場版2作を経て、劇場版第3弾『英雄編』で、『コンフィデンスマンJP』×Official髭男dism4度目のタッグが実現した。『ロマンス編』で珠玉の名バラード“Pretender”を、『プリンセス編』で壮大な人生賛歌“Laughter”を生み出すなど、毎回テーマが変わる『コンフィデンスマンJP』だからこそ、作品の世界観と寄り添いながら、バンドとしての新境地を切り拓いてきたヒゲダン。「人々にとって本当の『英雄』とはなんなのか？」と問いかけ、仲間同士の騙し合いが描かれる『英雄編』に寄せて、攻撃的かつアイロニカルなメッセージを込めた“Anarchy”を書き下ろした。《リーダーも英雄も信じるまいと怒れる暴徒の眼光》《抜け出せ この集団の根強い重力を／捨てられない粗大なイライラが爆ぜる》と社会をぶった切り、苛立った感情のまま淡々と最後まで突き進む一曲。それを、ロックではなく80年代風の軽やかなサウンドとポップなメロディでダンスミュージックに仕上げているところがさらに痛快。これだけ実験的な曲を主題歌として贈るヒゲダンと、受け取る作品の信頼関係が素晴らしい。（後藤寛子）

『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より