表題曲“陽はまた昇るから”は、作曲を穴見真吾が、作詞を小林壱誓が手掛けている。歌詞は大人が子どもに語りかけるような視点で書かれているが、そこに説教臭さや押しつけがましさはなく、置き手紙のようにメッセージが綴られているところがいい。カップリングの“時のいたずら”は長屋晴子が作詞作曲。レイドバックしたバンドサウンドに乗せて、流れゆく時の中で「今」を大切に生きる人の、凛とした強さが歌われている。
2曲とも「時間」をモチーフにしている点が共通しているが、弄されることも抗うこともなく、どちらも肯定的な筆致で描かれている。大らかで柔らかなバンドになってきた印象がある。(天野史彬)