「歌」の意味と力を問い直す

UVERworld『ピグマリオン』
発売中
SINGLE
UVERworld ピグマリオン
インストゥルメンタルのベスト盤を挟み、歌入りの新作としては昨年末のアルバム『30』以来となるニューシングル。そういう経緯が関係しているのかはわからないが、本作収録の2曲はいずれも「歌」としてのインパクトが強い。まずは表題曲“ピグマリオン”。ボコーダーを使用したTAKUYA∞の多重コーラスを大々的にフィーチャーしている。いわゆるドロップ型の楽曲構造で、バンドサウンドが堰を切ったように溢れ出すのだが、大胆にしてエモーショナルな楽曲デザインである。「愛し方を学ぶ」という、今の時代に必要なメッセージをズバリ提示してみせた歌詞も素晴らしく、教える側が期待することで学ぶ側の成績が向上するという「ピグマリオン効果」をテーマに据えている。一方カップリングの“BVCK”は、人生に深い影響を及ぼした大切な人との距離感を歌い込んだ楽曲。コーラス部分に仕掛けられたビートミュージック風のアレンジは、刺激的でどこかコミカル。心を惑わし翻弄するほどに大きな「その人」の影響力を表現したのだろうか。こちらも斬新なロックソングの在り方に挑んでいる。(小池宏和)

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