今年4月に2日間開催された、さいたまスーパーアリーナ単独公演の映像化。初回限定盤は2日間の模様のほか、副音声で「ACAね ライブ反省会 ソロ」を収録。通常盤は2日目のライブ本編を収録している。デビュー以来の代表曲が並び、しかも最新アレンジが施された初日も観応え十分だし、両日共通でとりわけ人気の高い楽曲や当時の最新曲“ミラーチューン”なども押さえられているのだが、やはり『伸び仕草懲りて暇乞い』収録曲を中心に最新モードを見せつけた2日目がキモだ。今にも壊れそうなウィスパリングボーカルからエモーショナルなシャウトまで歌唱力を向上させているACAねは、その成長を落とし込むように新境地の音楽性を開拓し続けていることがよくわかる。また、バンドメンバーとともに前衛性とポップエンターテインメントを華麗に綱渡りしてゆくずとまよが、そのクオリティを向上させながらアリーナ規模のライブに到達してしまったことも感慨深い。2日目の当日、親子連れのオーディエンスを何組か見かけて、若いうちからこんなライブを体験したら人生変わっちゃうよな、と思った。（小池宏和）

『ROCKIN'ON JAPAN』10月号より