lukiのプリズムを透過したブルース

luki『新古今洋歌集』
発売中
DIGITAL
luki 新古今洋歌集
昨秋から洋楽カバーのデジタルシングルを発表してきたシンガーソングライターのlukiが、カバーシリーズをミニアルバムとして纏め上げた。なおこの4月には本作と同タイトルのワンマンライブを開催しており、CDはライブ会場限定販売なのだが、ぜひデジタル音源のほうでもどっぷりと浸ってみてほしい。ボブ・ディランやアニマルズのバージョンが有名な“朝日のあたる家”、幾多の名演に挑むような“The End of the World”、ドアーズデヴィッド・ボウイも好んだ“アラバマ・ソング”、そしてブルースの大名曲を歌い替えた“フーチークーチーウーマン”という4曲だ。“朝日〜”や長らくライブで歌い続け得意のブルースハープも火を噴く“フーチークーチー〜”は、人間の欲望に身を晒すストーリーテリングと情念の歌唱が強烈。一方、オリジナルの歌詞を比較的忠実に訳した“The End〜”では孤独な心の空隙を見事に描き切り、元々演劇の中で歌われてきた“アラバマ〜”ではlukiらしいシアトリカルな表現力を発揮して狂気スレスレの危うい酩酊感を伝える。むしろlukiのほうが楽曲に選ばれている名カバーたちだ。(小池宏和)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)


ご購入はこちら
他ラインナップはこちら
JAPAN最新号、発売中!あいみょん/別冊 緑黄色社会/Mrs. GREEN APPLE/[Alexandros]/SUPER BEAVER/スピッツ/back number/ONE OK ROCK/米津玄師/Official髭男dism/エレファントカシマシ/BE:FIRST
●あいみょん 新たな名曲“愛の花”誕生! 「“愛の花”インタビュー」「あいみょんとライブ、8のモーメント」のロングインタビュー2本立てで送る、春のあいみょん大特集! ●別冊 緑黄色社会 春の名曲センバツBOOK INTERVIEW vol.1――緑黄色社会の謎に包まれた曲作りとは? …
JAPAN最新号、発売中!あいみょん/別冊 緑黄色社会/Mrs. GREEN APPLE/[Alexandros]/SUPER BEAVER/スピッツ/back number/ONE OK ROCK/米津玄師/Official髭男dism/エレファントカシマシ/BE:FIRST - 『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする