傷さえ眩き25年の証明 椎名林檎『私は猫の目』発売中 SINGLE デビュー25周年を記念した8年ぶりのCDシングルで、表題曲は博多時代からつながりのある元NUMBER GIRL/bloodthirsty butchersの田渕ひさ子と元ロレッタセコハンの時津梨乃、そしてNYの現行ジャズ/ヒップホップシーンの中心で活躍するキーボーディストBIGYUKIとのセッションのために書き下ろされたもの。《今ここで会ったが百年目/野郎め天誅だい参ったか(めぇったか)/目には目を血で血を洗え》など、全編を通じてひたすらに「め」で韻を踏んでいく小気味好さと、《尚なお》を「ニャーオニャーオ」と発声する可愛らしさとが絡み合っての中毒性がえげつないことになっている。また、グランジマナーで掻き鳴らされるギターと性愛について歌うテーマ設定は初期の彼女の作風を連想させるものの、前述の細やかな技巧や洒脱な鍵盤のアレンジにより、確実に今日の椎名林檎という作家の凄味を宿した作品となっているのが本当に素晴らしい。社会現象に祭り上げられ、幾度も傷を負いながら、それでも生き馬の目を抜くポップシーンに身を晒し創作し続けてきたからこそ、辿り着いた今だ。(長瀬昇)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年7月号より抜粋)ご購入はこちら Amazon楽天ブックスセブンネットショッピングタワーレコード オンラインHMV&BOOKS onlineFujisan.co.jp他ラインナップはこちら JAPAN最新号、本日発売!BiSH/別冊 JAPAN JAM 2023/BUMP OF CHICKEN/ONE OK ROCK/sumika/Saucy Dog/マカロニえんぴつ/YOASOBI 5月30日(火)に発売する『ROCKIN’ON JAPAN』7月号の表紙とラインナップを公開しました。今月号の表紙巻頭は、BiSHです。 ●BiSH BiSHが起こした革命に迫る3時間インタビュー、そして6人で交わす最後のレターズまで――永久保存の全40ページ、最後の表紙巻頭特集! … 2023.06.01 08:00