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果敢にトラップに挑んだその名も“トラップガール”に、全員でシュールなラップをまわす“TAXI”、さらには打ち込みのトラックに中嶋イッキュウがひとり歌唱を乗せるソロ曲“ジェニーガールクラッシュ”などなど、曲想もアレンジも飛躍的に自由度を増した3作目。なぜここまでプロデューサーである川谷が振り切れたのかといえば、それはすべての基盤となるバンドの演奏に対し確たる自信を得たからではないだろうか。川谷と新垣は元よりとんでもなかったが、極めてトリッキーなバンドのスタイルに中嶋が完璧に適応し万華鏡のように多彩なボーカリゼーション(切れ味鋭いラップを含め)を魅せ、何より小籔とくっきー!のリズム隊が弛まず技術的に向上し続けている。もはや、メンバー個々のキャラや属性を一切無視しても十二分に優れたバンドであると言い切れる。7月から始まる全国ホールツアーでは、ゲスの極み乙女やindigo la Endとの対バンが組まれている。どのような対峙となるか、どうにも期待が膨らむところである。(長瀬昇)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋)
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