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失恋で悲しいのに、普段通りの生活をこなせてしまう。あの子のことが嫌いなわけではないのに、幸せそうな笑顔を見ると心が沈んでしまう。自分の感情が捉えられないまま混乱と共に日々を過ごす人は少なくないだろう。彼らの楽曲は、そんなあてどない感情の正体を的確に言い当てる。本格始動から約1年で届いた初のミニアルバム。これまでのデジタルシングルも、あたたかいバンドサウンドを基盤にしながら常に新しいアプローチに挑戦していたが、新曲ではさらに多彩なリズムワークや鮮やかなメロディ、華やかなコーラスワークなどを取り入れ、歌詞だけでなくサウンド面でも感情の解像度を上げている。そして、今作で明らかになった新たな強みが、2月発売の会場限定盤のボーナストラックを含めると、メンバー全員ソングライティングとボーカルを担っている点。風通しよく広がる3人それぞれの哲学。等身大の美しい結束は、彼らを身近に感じられることはもちろん、聴き手の心もポジティブに照らす。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋)
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