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その歌声のインパクト一発でセンセーションを巻き起こしながら登場したyamaだが、アルバム単位で改めて楽曲に触れてみると、どのようにシーンと関わり、どのようにシーンへの影響を及ぼし、また自身がどのように成長しているかという足跡が都度鮮やかに浮かび上がってくる。通算3作目のアルバムとなる本作では、TVアニメ主題歌に起用された“色彩”や“slash”、ぼっちぼろまるとのコラボ曲“ハロ”などもしっかり押さえられているわけだが、yama自身が共同クレジットで作詞・作曲に携わったフューチャーハウス風の“偽顔”やUKガレージ風の“沫雪”が序盤に配置されていることからも、ソングライターとしての成長が窺える。ボカロ出身クリエイターのくじら、是、宮田‘レフティ’リョウらの活躍をはじめ、こめだわらも良質なロックチューン群を提供。cinema staffメンバーが編曲に携わった“灰炎”がスリリングな展開をもたらすなど、多様化の果てに分断しかねない音楽シーンを総覧する濃厚なアルバムに仕上げられている。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋)
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